こんにちは、サイト管理人です
玄関の段差は、ご高齢の方や車椅子を利用する方にとって、日々の生活における大きな障壁となり得ます。
その問題を解決するための一つの有効な手段が、スロープの設置です。
しかし、いざ設置を考え始めると、「玄関にスロープをつける費用は一体いくらかかるのだろう」という疑問が真っ先に浮かぶのではないでしょうか。
また、費用だけでなく、どのような工事の種類があるのか、工期はどのくらいか、そして信頼できる業者をどう選べば良いのか、不安や疑問は尽きないことでしょう。
さらに、費用負担を少しでも軽くするために、介護保険や国・自治体の補助金制度が利用できないかと考える方も多いはずです。
この記事では、そうした玄関のスロープ設置に関するあらゆる疑問にお答えします。
玄関にスロープをつける費用の具体的な相場から、コンクリートや木製といった素材ごとの工事内容、安全性に直結するスロープの勾配の基準、そして同時に設置を検討したい手すりの追加費用まで、詳細に解説していきます。
加えて、費用を抑えるための重要なポイントである介護保険の住宅改修費や補助金の申請方法、購入とレンタルのメリット・デメリット比較、さらにはDIYで設置する場合の注意点に至るまで、網羅的に情報を提供します。
段差解消を実現し、安全で快適な住環境を手に入れるためには、事前の情報収集と計画が不可欠です。
この記事を通じて、ご自身の状況に最も適したスロープ設置のプランを立てるための一助となれば幸いです。
業者選びで失敗しないための見積もりの取り方やチェックポイントもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
◆このサイトでわかる事◆
- 玄関スロープ設置工事の種類別費用相場
- 安全なスロープに不可欠な勾配の基準
- 費用を抑えるための介護保険や補助金の活用法
- 信頼できるリフォーム業者の選び方と見積もりのコツ
- DIYでスロープを設置する際のメリットと注意点
- スロープの購入とレンタルの違いと選び方
- 手すりを同時に設置する場合の追加費用

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玄関にスロープをつける費用の相場と工事内容

◆この章のポイント◆
- スロープ工事の種類ごとの費用目安
- 段差解消で重要なスロープの勾配
- 手すりを追加で設置する場合の価格
- 信頼できる業者の選び方と見積もり
- DIYで設置する場合の注意点
スロープ工事の種類ごとの費用目安
玄関にスロープを設置する際の費用は、工事の方法や使用する素材によって大きく変動します。
ここでは、代表的な工事の種類とその費用目安について詳しく解説いたします。
ご自宅の状況や予算に合わせて最適な方法を選ぶための参考にしてください。
コンクリート・モルタル製スロープ
最も一般的で、耐久性に優れているのがコンクリートやモルタルを使用してスロープを造作する方法です。
現場で型枠を組んでコンクリートを流し込むため、土地の形状に合わせて自由な設計が可能というメリットがあります。
一度設置すればメンテナンスの手間がほとんどかからず、非常に頑丈なのが特徴です。
費用相場は、スロープの長さや幅、基礎工事の有無などによって異なりますが、一般的には10万円から30万円程度が目安となります。
左官工事や基礎工事が必要になるため、他の方法と比較すると費用は高くなる傾向にあります。
また、工事期間も数日から1週間程度必要で、コンクリートが固まるまでの養生期間も考慮しなければなりません。
アルミ・スチール製スロープ(既製品)
既製品のアルミ製やスチール製のスロープを設置する方法もあります。
これらは「置き型」と「固定型」に大別されます。
置き型スロープは、工事が不要で、必要な時にだけ設置できる手軽さが魅力です。
価格も2万円から10万円程度と比較的安価ですが、常設には向かず、使用のたびに設置・撤去の手間がかかる点がデメリットです。
一方、固定型は地面にアンカーで固定するため安定感があり、価格は15万円から40万円程度が目安です。
アルミ製は軽量で錆びにくく、スチール製は強度が高いという特徴があります。
工事期間は1〜2日と短く済むことが多いでしょう。
木製スロープ
温かみのあるデザインを好む方には、木製のスロープも選択肢の一つです。
ウッドデッキと一体で設置するなど、住宅のデザインに合わせやすいのがメリットです。
費用相場は15万円から35万円程度で、使用する木材の種類によって価格が変動します。
ただし、木材は雨風にさらされると腐食やシロアリの被害に遭う可能性があるため、定期的な防腐・防蟻塗装などのメンテナンスが欠かせません。
メンテナンス費用も長期的に見れば考慮しておくべきポイントと言えるでしょう。
以下に、工事の種類ごとの特徴を表にまとめました。
工事の種類 | 費用相場 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
コンクリート・モルタル | 10万円~30万円 | 耐久性が高い、自由な設計が可能 | 費用が高い、工期が長い |
アルミ・スチール(既製品) | 2万円~40万円 | 比較的安価、工期が短い | デザインの自由度が低い、置き型は安定性に欠ける場合がある |
木製 | 15万円~35万円 | デザイン性が高い、温かみがある | 定期的なメンテナンスが必要 |
これらの情報を基に、どの種類のスロープがご自身のニーズに最も合致するか検討してみてください。
段差解消で重要なスロープの勾配
玄関スロープを設置する上で、費用と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが「勾配」です。
勾配とはスロープの傾斜の度合いを指し、この角度が利用者の安全性や使いやすさを大きく左右します。
いくら立派なスロープを設置しても、勾配が急すぎて車椅子で自走できなかったり、介助者が危険を感じたりするようでは意味がありません。
建築基準法とバリアフリー法における勾配の基準
日本の法律では、スロープの勾配に関する基準が定められています。
まず、建築基準法では、不特定多数の人が利用する公共の建物などにおいて、スロープの勾配は「1/8を超えないこと」とされています。
これは、高さ1に対して水平距離が8必要という意味です。
しかし、この1/8という勾配は車椅子での自走にはかなり急であり、介助者がいても危険を伴う場合があります。
そのため、より安全性が求められる高齢者や障害者が利用する施設に適用される「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)」では、さらに厳しい基準が設けられています。
バリアフリー法では、屋外スロープの勾配は「1/15以下」、屋内では「1/12以下」が推奨されています。
1/15の勾配であれば、車椅子での自走も比較的容易になり、介助者の負担も大幅に軽減されます。
例えば、玄関の段差が30cmの場合、1/15の勾配を確保するためには、30cm × 15 = 450cm、つまり4.5メートルの水平距離が必要になる計算です。
なぜ適切な勾配が必要なのか
適切な勾配を確保することは、以下の理由から非常に重要です。
- 安全性:急な勾配は、特に雨の日など路面が濡れている場合に滑りやすく、転倒のリスクが高まります。また、車椅子が意図せず加速してしまい、事故につながる危険性もあります。
- 自走の可能性:勾配が緩やかであれば、腕の力が弱い方でも車椅子を自走できる可能性が広がります。これは利用者の自立心を促し、QOL(生活の質)の向上に直結します。
- 介助者の負担軽減:介助者が車椅子を押す場合でも、勾配が急だと相当な力が必要となり、腰などを痛める原因にもなりかねません。緩やかな勾配は、介助する側の身体的負担を大きく減らします。
玄関周りのスペースには限りがあるため、理想的な勾配を確保するのが難しいケースも少なくありません。
スペースが足りない場合は、スロープを直線ではなく、折り返し(Uターン)のある形状に設計するなどの工夫が必要になります。
業者と相談する際には、単にスロープを設置するだけでなく、「どのくらいの勾配が確保できるか」「安全に利用できるか」という点を必ず確認するようにしましょう。
手すりを追加で設置する場合の価格
玄関スロープを設置する際には、安全性をさらに高めるために「手すり」の併設を強く推奨します。
手すりは、車椅子利用者だけでなく、杖歩行の方や足元に不安のある高齢者にとっても、転倒を防止し、安心して移動するための重要な支えとなります。
スロープ工事と同時に手すりを設置することで、工事が一度で済み、結果的に費用を抑えられる可能性もあります。
手すりの種類と費用相場
手すりの費用は、その種類や素材、設置する長さによって異なります。
一般的に、手すり設置の費用相場は、1メートルあたり1.5万円から4万円程度です。
- 素材:屋外に設置するため、錆びにくく耐久性の高いステンレスやアルミが主流です。樹脂でコーティングされたタイプは、冬場でも冷たさを感じにくく、握りやすいというメリットがあります。
- 形状:握りやすさを考慮し、直径32mmから36mm程度の丸い形状が一般的です。利用者の身長に合わせて、適切な高さに設置することが重要です。一般的には、床から75cmから85cmの高さが目安とされています。
- 取り付け方法:スロープの側面に支柱を立てて設置する方法が一般的です。壁が近くにある場合は、壁に直接取り付けることも可能です。
例えば、長さ3メートルのスロープの両側に手すりを設置する場合(合計6メートル)、単純計算で9万円から24万円程度の追加費用がかかることになります。
これはあくまで目安であり、支柱を立てるための基礎工事が必要な場合などは、さらに費用が加算されます。
介護保険の活用
重要な点として、この手すりの設置も介護保険の住宅改修費の支給対象となる工事に含まれます。
スロープ設置と合わせて申請することで、費用の自己負担を大幅に軽減できる可能性があります。
介護保険を利用する場合、手すりの必要性についてケアマネジャーが作成する理由書に明記してもらう必要があります。
利用者の身体状況に合わせて、どのような手すりが最適か、どの位置に設置すべきかを専門家であるケアマネジャーや福祉住環境コーディネーター、そして施工業者とよく相談して決定することが大切です。
手すりは単なる付属品ではなく、スロープと一体で安全性を確保するための必須アイテムと捉え、設置計画の初期段階から予算に組み込んでおくことをお勧めします。
信頼できる業者の選び方と見積もり
玄関スロープの設置は、利用者の安全に直結する重要なリフォームです。
だからこそ、工事を依頼する業者は慎重に選ばなければなりません。
また、適正な価格で質の高い工事を実現するためには、見積もりの内容を正しく理解することが不可欠です。
ここでは、信頼できる業者選びのポイントと、見積もりを取る際の注意点について解説します。
業者選びの5つのポイント
どの業者に依頼すれば良いか分からないという方は、以下の5つのポイントをチェックしてみてください。
- 1. 介護リフォーム・バリアフリー工事の実績が豊富か:通常の工務店やリフォーム会社でもスロープ工事は可能ですが、介護保険を利用したリフォームやバリアフリー工事の実績が豊富な業者を選ぶと安心です。利用者の身体状況を理解し、専門的な視点から最適な提案をしてくれる可能性が高いでしょう。
- 2. 専門の資格を持つスタッフがいるか:「福祉住環境コーディネーター」や「理学療法士・作業療法士」といった資格を持つスタッフが在籍している業者は、より専門的なアドバイスが期待できます。
- 3. 建設業許可やリフォーム関連の団体に加盟しているか:建設業許可を受けているか、信頼できるリフォーム関連団体に加盟しているかも、信頼性を測る一つの指標になります。
- 4. 保証やアフターサービスが充実しているか:工事後の保証制度や、不具合があった場合の対応など、アフターサービスの内容を事前に確認しておきましょう。「工事保証書」を発行してくれる業者は信頼できます。
- 5. 見積書や契約書の内容が明確か:後述しますが、見積書の内訳が「工事一式」などと大雑把ではなく、項目ごとに細かく記載されているかを確認します。契約を急がせたり、不明瞭な点をごまかしたりする業者は避けるべきです。
相見積もりで比較検討する
業者を選ぶ際には、必ず複数の業者(できれば3社以上)から見積もりを取る「相見積もり」を行いましょう。
相見積もりをすることで、費用の相場感がつかめるだけでなく、各社の提案内容や担当者の対応を比較することができます。
最も安い業者を選ぶのが必ずしも正解とは限りません。
なぜその金額になるのか、提案内容に利用者の安全への配慮が十分になされているかといった、価格以外の面もしっかりと比較検討することが重要です。
見積もりでチェックすべき項目
業者から見積書を受け取ったら、以下の項目が明記されているかを確認してください。
項目 | チェックポイント |
---|---|
工事内容 | どのような工事を行うのかが具体的に記載されているか(例:コンクリート打設、手すり設置など)。 |
材料費 | 使用するスロープの製品名や型番、コンクリートや木材などの単価と数量が明記されているか。 |
施工費(人件費) | 職人の人数や作業日数などが含まれる費用。いわゆる手間賃です。 |
諸経費 | 現場管理費、交通費、廃材処分費など。全体の10〜15%が一般的ですが、内訳が不明瞭な場合は説明を求めましょう。 |
合計金額 | 消費税込みの最終的な金額が記載されているか。 |
不明な点があれば、遠慮せずに担当者に質問し、納得できるまで説明を求める姿勢が大切です。これらのポイントを押さえて、安心して任せられる業者を選びましょう。
DIYで設置する場合の注意点
玄関にスロープをつける費用を少しでも抑えたいと考えたとき、「DIY(Do It Yourself)」、つまり自作するという選択肢が頭に浮かぶかもしれません。
ホームセンターなどで材料を揃えれば、業者に依頼するよりも安価に設置できる可能性があるのは確かです。
しかし、スロープのDIYには、費用のメリット以上に考慮すべき多くの注意点やリスクが存在します。
DIYのメリットとデメリット
まず、DIYの利点と欠点を整理してみましょう。
【メリット】
- 費用の削減:最大のメリットは、工事費(人件費)がかからないため、材料費だけで済む点です。業者に依頼する場合と比較して、費用を大幅に圧縮できる可能性があります。
【デメリット】
- 安全性の確保が難しい:スロープには、利用者の体重や車椅子の重量を支える十分な強度と耐久性が求められます。専門知識なしに作製した場合、強度が不足し、使用中に破損して重大な事故につながる危険性があります。
- 適切な勾配の設計が困難:前述の通り、安全で使いやすいスロープには適切な勾配が不可欠です。敷地の状況を考慮しながら理想的な勾配を計算し、設計・施工するのは非常に難しい作業です。
- 介護保険の対象外となる:DIYでスロープを設置した場合、介護保険の住宅改修費支給の対象にはなりません。結果的に、業者に依頼して保険を利用した方が自己負担額は安く済んだ、というケースも十分にあり得ます。
- 時間と手間がかかる:材料の選定から買い出し、設計、施工まで、すべて自分で行うには相応の時間と労力、そして技術が必要です。
DIYが可能なケースとは?
DIYを検討できるのは、ごく限定的なケースに限られます。
例えば、数センチ程度の非常に低い段差に対して、工事不要の「置き型スロープ」を購入して設置するような場合です。
この場合、厳密にはDIY(作製)ではありませんが、自分で設置するという意味では近いでしょう。
コンクリートを練って基礎から作ったり、木材を組んで恒久的なスロープを設置したりするような本格的な工事は、安全性の観点から専門の業者に任せるべきです。
特に、要介護認定を受けている方が利用するスロープの場合は、万が一の事故のリスクを避けるため、そして介護保険制度を有効に活用するためにも、プロの業者に依頼することを強くお勧めします。
安易なDIYは「安物買いの銭失い」になるだけでなく、取り返しのつかない事故を招く可能性があることを十分に理解しておきましょう。
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玄関にスロープをつける費用を抑えるための制度
◆この章のポイント◆
- 介護保険でリフォーム費用を軽減
- 自治体の補助金制度を活用する方法
- 購入とレンタルの費用比較
- 設置するスロープの種類と素材の選び方
介護保険でリフォーム費用を軽減
玄関にスロープをつける費用は決して安いものではありませんが、公的な制度をうまく活用することで、その負担を大幅に軽減することが可能です。
その代表的な制度が「介護保険」における住宅改修費の支給制度です。
ここでは、その内容と利用するための手続きについて詳しく解説します。
介護保険の住宅改修制度とは?
介護保険の住宅改修制度は、要支援または要介護の認定を受けた方が、自宅での生活の支障となる部分を改修する際に、その費用の一部が支給されるというものです。
玄関のスロープ設置は、この制度の対象となる「段差の解消」に該当します。
【支給の概要】
- 支給上限額:対象となる工事費の上限は20万円です。これは生涯にわたる上限額ですが、転居した場合や要介護度が著しく高くなった(3段階以上上昇)場合には、再度利用できることがあります。
- 自己負担割合:所得に応じて、費用の1割、2割、または3割が自己負担となります。例えば、20万円の工事を行い、自己負担が1割の方の場合、18万円が介護保険から支給され、自己負担額は2万円で済みます。
つまり、最大で18万円の補助が受けられるということになり、これは費用を考える上で非常に大きなポイントです。
対象となる工事
住宅改修の対象となるのは、スロープの設置だけではありません。
以下のような工事が対象となります。
- 手すりの取付け
- 段差の解消(スロープ設置、敷居の撤去、浴室の床のかさ上げなど)
- 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
- 引き戸等への扉の取替え
- 洋式便器等への便器の取替え
- その他これらの各工事に付帯して必要となる工事
玄関スロープの設置と合わせて、安全のために手すりを設置する工事も、この住宅改修費の対象に含まれます。
申請手続きの流れ
介護保険の住宅改修制度を利用するには、必ず「工事の着工前」に市区町村への申請が必要です。
工事後に申請しても支給は受けられないため、注意してください。
手続きの一般的な流れは以下の通りです。
- ステップ1:ケアマネジャー等への相談
まずは担当のケアマネジャー(介護支援専門員)や地域包括支援センターに、住宅改修を検討していることを相談します。 - ステップ2:改修業者の選定と見積もり依頼
ケアマネジャーのアドバイスも参考にしながら、住宅改修を行う業者を選定し、見積もりを依頼します。 - ステップ3:申請書類の準備と提出
ケアマネジャーが作成する「住宅改修が必要な理由書」のほか、申請書、見積書、改修前の写真など、必要な書類を揃えて市区町村の窓口に提出します。 - ステップ4:承認・着工
市区町村から改修の承認が下りたら、業者と契約し、工事を開始します。 - ステップ5:工事完了・支払い・支給申請
工事が完了したら、まずは業者に費用の全額を支払います。その後、領収書や工事後の写真などを添えて、改めて市区町村に支給申請を行います。 - ステップ6:保険給付費の支給
申請内容が審査され、問題がなければ自己負担分を除いた金額(20万円の工事で自己負担1割なら18万円)が指定の口座に振り込まれます。
手続きが少し複雑に感じるかもしれませんが、ケアマネジャーや業者がサポートしてくれますので、まずは相談することから始めてみましょう。
自治体の補助金制度を活用する方法
玄関にスロープをつける費用を抑える方法は、介護保険だけではありません。
お住まいの市区町村によっては、独自に住宅リフォームに関する補助金や助成金の制度を設けている場合があります。
これらの制度を介護保険と併用、あるいは介護保険の対象とならない場合に活用することで、さらに自己負担を軽減できる可能性があります。
どのような補助金制度があるのか?
自治体が設けている制度は多種多様ですが、スロープ設置に関連するものとしては、主に以下のようなものが考えられます。
- 高齢者住宅改修費助成制度:介護保険の要介護認定を受けていない高齢者や、介護保険の支給上限額(20万円)を超えてしまった工事などを対象に、費用の一部を助成する制度です。
- 障害者住宅改造費助成制度:身体障害者手帳などをお持ちの方が、日常生活の利便性を高めるために住宅を改修する際に利用できる制度です。所得制限などが設けられている場合があります。
- 三世代同居・近居支援事業:子育て世代と親世代の同居や近居を促進するために、住宅の取得やリフォーム費用を補助する制度です。バリアフリー改修が補助対象に含まれていることがあります。
- 一般リフォーム補助金:地域経済の活性化などを目的に、市民が行う住宅リフォーム全般に対して補助金を出す制度です。多くの場合、市内の施工業者を利用することが条件となっています。
これらの制度は、名称や内容、補助額、申請条件などが自治体によって大きく異なります。
また、年度ごとに予算が決められており、申請期間が限られていたり、予算がなくなり次第終了となったりすることが多いため、注意が必要です。
補助金制度の探し方と注意点
ご自身が利用できる制度があるかどうかを調べるには、どうすればよいのでしょうか。
【探し方】
- 市区町村のウェブサイトで確認する:「〇〇市 住宅改修 補助金」や「〇〇区 高齢者 リフォーム 助成」といったキーワードで検索してみましょう。高齢福祉課や建築指導課などのページに情報が掲載されていることが多いです。
- 役所の担当窓口に問い合わせる:ウェブサイトで情報が見つからない場合や、内容がよく分からない場合は、直接電話などで問い合わせるのが確実です。
- リフォーム業者に相談する:地域の情報に詳しいリフォーム業者であれば、利用可能な補助金制度についてアドバイスをくれることがあります。
【注意点】
自治体の補助金制度を利用する際には、介護保険と同様に、原則として「工事着工前」の申請が必要です。
また、介護保険の住宅改修費との併用が可能かどうかは、自治体の規定によって異なります。
どちらの制度を優先的に利用すべきか、あるいは併用できるのか、といった点も含めて、事前にケアマネジャーや役所の担当者、リフォーム業者とよく相談することが重要です。
少し手間はかかりますが、利用できる制度を見逃さないよう、積極的に情報収集を行いましょう。
購入とレンタルの費用比較
玄関スロープには、コンクリートなどで恒久的に設置する「固定型」のほかに、必要な時だけ設置できる「置き型」のスロープがあります。
この置き型スロープの場合、「購入」するべきか「レンタル」するべきか、という選択肢が出てきます。
どちらがお得で、ご自身の状況に適しているのか、費用やメリット・デメリットを比較しながら検討してみましょう。
レンタルが向いているケース
スロープのレンタルは、介護保険の「福祉用具貸与」の対象となります。
これにより、月々のレンタル料の1割〜3割の自己負担で利用することが可能です。
レンタルが適しているのは、以下のような状況です。
- 一時的な利用:骨折などの怪我で、数ヶ月だけ車椅子生活になる、といった短期的な利用の場合には、購入するよりもレンタルの方が圧倒的に費用を抑えられます。
- 利用者の身体状況に変化が予想される場合:将来的に病状が進行したり、逆に回復したりする可能性がある場合、その時の身体状況に合ったスロープに交換できるレンタルは非常に柔軟な対応が可能です。
- お試しで使ってみたい場合:本格的な工事に踏み切る前に、まずは置き型スロープの使い勝手を試してみたい、というニーズにもレンタルは応えてくれます。
- メンテナンスの手間を省きたい場合:レンタル品であれば、破損時の修理や交換はレンタル業者が行ってくれるため、メンテナンスの心配がありません。
購入が向いているケース
一方、スロープの購入が適しているのは、以下のような状況です。
- 長期的な利用が見込まれる場合:長期間にわたってスロープを利用する場合、レンタル料を払い続けるよりも、購入した方が総額では安くなることがあります。損益分岐点(レンタル料総額が購入価格を上回る時期)を計算してみると良いでしょう。
- 介護保険の対象外の場合:要介護認定を受けていないなど、介護保険を利用できない場合は、レンタル料が全額自己負担となるため、購入の方が割安になることが多いです。
- 固定工事を伴う場合:コンクリート製スロープや、地面に固定するタイプのスロープを設置する場合は、必然的に「購入(工事)」という選択になります。
費用比較の目安
具体的な費用を比較してみましょう。
例えば、価格が5万円の置き型スロープがあるとします。
購入 | レンタル(自己負担1割の場合) | |
---|---|---|
初期費用 | 50,000円 | 0円 |
月額費用 | 0円 | 月額レンタル料の1割(例:月5,000円なら500円) |
特徴 | 長期間使うなら総額は割安。介護保険の福祉用具「購入」対象品目ではない点に注意。 | 短期間の利用なら割安。身体状況の変化に対応しやすい。介護保険の福祉用具「貸与」対象。 |
この例では、レンタルを100ヶ月(約8年4ヶ月)以上続けると、レンタル料の自己負担総額が購入価格を上回ることになります。
ただし、これはあくまで単純計算であり、レンタル品は新品でない場合があることや、購入品は将来的に不要になった際に処分費用がかかる可能性なども考慮に入れる必要があります。
どちらを選ぶべきか迷った際には、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談し、利用期間の見込みや利用者の身体状況、将来的な変化の可能性などを総合的に判断して、最適な選択をしましょう。
設置するスロープの種類と素材の選び方
これまで解説してきたように、玄関スロープには様々な種類や素材があります。
「玄関にスロープをつける費用」を適切に把握し、かつ安全で使いやすいものを選ぶためには、それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況に最も合ったものを選び出すことが重要です。
ここでは、選び方のポイントを改めて整理します。
STEP1:設置方法を選ぶ(固定型 or 置き型)
まず、恒久的に設置する「固定型」か、移動可能な「置き型」かを決めます。
【固定型がおすすめのケース】
- 毎日、頻繁にスロープを利用する。
- 長期的に利用することが決まっている。
- 玄関周りのスペースに余裕があり、恒久的な設置が可能。
- 介護保険の住宅改修制度を利用して、本格的な工事をしたい。
【置き型がおすすめのケース】
- 利用頻度がそれほど高くない(通院時のみなど)。
- 一時的な利用(数ヶ月程度)を想定している。
- 賃貸住宅などで、工事ができない。
- 介護保険の福祉用具貸与(レンタル)を利用したい。
STEP2:素材を選ぶ
次に、スロープの素材を選びます。これは主に「固定型」の場合の選択肢となります。
素材 | 特徴 | 選び方のポイント |
---|---|---|
コンクリート・モルタル | 耐久性が非常に高く、メンテナンスフリー。自由な設計が可能。 | 初期費用や工期がかかっても、頑丈で長期的に安心して使えるものを求める場合に最適。 |
アルミ・スチール(既製品) | 軽量で錆びにくく、工期が短い。デザインは限定的。 | できるだけ早く、比較的安価に設置したい場合に適している。 |
木製 | デザイン性が高く、住宅の外観に合わせやすい。温かみがある。 | 家のデザインとの調和を重視する場合におすすめ。ただし、定期的なメンテナンス(塗装など)の手間と費用を許容できることが条件。 |
FRP(繊維強化プラスチック) | 置き型スロープに多い素材。軽量で強度があり、持ち運びしやすい。 | 置き型スロープを選ぶ際の主要な選択肢。様々な長さや幅の製品がある。 |
STEP3:総合的に判断する
最終的には、以下の要素を総合的に考慮して、最適なスロープを決定します。
- 利用者・介助者の状況:車椅子を自走するのか、介助者が押すのか。利用者の体重や身体能力、介助者の体力など。
- 住宅環境:玄関の段差の高さ、スロープを設置できるスペース(距離・幅)、地面の状況(土、コンクリートなど)。
- 予算:自己資金はいくらか。介護保険や補助金をどの程度利用できる見込みか。
- デザイン性:住宅の外観との調和をどの程度重視するか。
これらの要素を一つひとつ整理し、優先順位をつけていくと、自ずと選ぶべきスロープの形が見えてくるはずです。
自分たちだけで判断するのが難しい場合は、遠慮なくケアマネジャーやリフォーム業者のような専門家に相談し、プロの視点からアドバイスをもらいましょう。
まとめ:玄関にスロープをつける費用と計画の立て方
ここまで、玄関にスロープをつける費用に関する様々な情報をお伝えしてきました。
工事の種類や素材による費用の違い、安全性を確保するための勾配の重要性、そして費用負担を軽減するための介護保険や補助金制度の活用法など、ご理解いただけたかと思います。
玄関のスロープ設置は、単に段差をなくすだけの工事ではありません。
それは、ご家族の安全を守り、自立した生活を支援し、日々の暮らしの質を高めるための重要な投資です。
だからこそ、費用面だけでなく、安全性や使いやすさといった機能面も十分に考慮した上で、慎重に計画を進める必要があります。
計画を立てる上で最も重要なことは、一人で悩まず、専門家の力を借りることです。
まずは担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、身体状況に合った改修プランを一緒に考えてもらいましょう。
そして、介護リフォームの実績が豊富な信頼できる業者を見つけ、複数の業者から相見積もりを取ることが成功の鍵となります。
見積もりの内容を吟味し、提案されたプランが本当にご自身の状況に合っているか、将来的な変化にも対応できるかをよく検討してください。
玄関にスロープをつける費用は、様々な選択肢と公的制度の活用によって、大きくコントロールすることが可能です。
この記事で得た知識をもとに、ご自身とご家族にとって最適で、納得のいくスロープ設置を実現してください。
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本日のまとめ
- 玄関のスロープ設置費用は工事内容や素材により10万円から40万円程度が目安
- コンクリート製は頑丈だが高価、既製品は安価だがデザイン性が低い
- 安全のためスロープの勾配は1/15以下が推奨される
- 勾配を緩やかにするには十分な水平距離が必要
- 手すりの追加設置で安全性は向上し費用は1mあたり1.5万円から4万円
- 信頼できる業者選びには相見積もりが不可欠
- 介護リフォームの実績が豊富な業者を選ぶと安心
- DIYは安価だが安全性の確保が難しく介護保険の対象外
- 要支援・要介護認定者は介護保険の住宅改修費で最大18万円の補助が受けられる
- 介護保険の利用には工事前の申請が必須
- 自治体独自の補助金制度も併用できるか確認する価値がある
- 置き型スロープは購入とレンタルの選択肢がある
- 短期利用ならレンタル、長期利用なら購入が経済的
- 最適なプランはケアマネジャーや専門業者と相談して決めるべき
- 玄関にスロープをつける費用計画は安全性と公的制度活用が鍵

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参考サイト
玄関にスロープを設置する費用は?工事の種類や価格の相場、介護保険や補助金の利用について解説|リフォーム会社紹介サイト【ホームプロ】
玄関スロープの後付け費用|介護保険が使える?DIYは? | リフォーム費用の一括見積り – リショップナビ
玄関の階段にスロープを設置(後付け)する費用の相場!リフォームで気を付けたいポイントも解説 | 金のコラム
玄関スロープの設置費用相場は?工事の種類や補助金・介護保険の利用について解説|リフォームのことなら「リノコ」
玄関にスロープを設置する費用はいくら?工事の種類や補助金について解説 | リフォームならリフォームガイド
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