こんにちは、サイト管理人です
冬の暮らしに、揺らめく炎の温もりと安らぎを与えてくれる薪ストーブ。
新築時だけでなく、今お住まいの家に薪ストーブを家に後付けしたいと考える方が増えています。
しかし、実際に薪ストーブを家に後付けするとなると、費用はどのくらいかかるのか、どんな工事が必要になるのか、そしてデメリットはないのか、多くの疑問や不安が浮かんでくるのではないでしょうか。
特に、煙突の設置や床の補強、安全性に関わる法律やメンテナンスの方法など、専門的な知識が必要な場面も少なくありません。
また、賃貸住宅にお住まいの場合、設置は可能なのかという点も気になるところです。
この記事では、薪ストーブの選び方から具体的な工事の流れ、さらには設置後のメンテナンスに至るまで、薪ストーブを家に後付けするために必要な情報を網羅的に解説します。
あなたの理想の薪ストーブライフを実現するため、ぜひ最後までご覧ください。
◆このサイトでわかる事◆
- 薪ストーブを後付けする際の総費用の目安
- 知っておくべきデメリットと後悔しないための対策
- 安全性確保のための重要なポイント
- 具体的な設置工事の流れと手順
- 煙突設置や床の補強に関する専門知識
- 関連する法律や条例の基本
- 購入後のメンテナンス方法と注意点

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薪ストーブを家に後付けする前に知るべき基本情報
◆この章のポイント◆
- 後付けにかかるリアルな費用の内訳
- 確認必須のデメリットと注意点
- 賃貸住宅でも設置は可能なのか
- 安全性を確保するために必要なこと
- 後悔しないための薪ストーブの選び方
薪ストーブを家に後付けすることは、多くの人にとって憧れのライフスタイルを実現する第一歩です。
しかし、その夢を実現するためには、事前の情報収集と計画が欠かせません。
この章では、後付けを検討する上で最も基本的かつ重要な情報、すなわち費用、デメリット、設置可能性、安全性、そしてストーブ本体の選び方について詳しく解説していきます。
これらの基本情報をしっかりと押さえることで、計画はより現実的なものとなり、後悔のない薪ストーブ導入へと繋がるでしょう。
後付けにかかるリアルな費用の内訳
薪ストーブを家に後付けする際に、最も気になるのが費用ではないでしょうか。
総額はストーブ本体の価格や家の構造、設置場所の条件によって大きく変動しますが、一般的には100万円から200万円程度が目安とされています。
この費用は、いくつかの要素に分解して考えることができます。
薪ストーブ本体の価格
まず、費用の大部分を占めるのが薪ストーブ本体の価格です。
材質(鋳物製か鋼板製か)、暖房能力、デザイン、ブランドなどによって価格は大きく異なります。
比較的小型でシンプルなモデルであれば30万円前後から見つけることができますが、高性能な海外ブランドの大型モデルになると100万円を超えることも珍しくありません。
部屋の広さや求める暖かさ、デザインの好みに合わせて、予算内で最適なモデルを選ぶ必要があります。
煙突の部材費と工事費
薪ストーブの設置において、本体と同じか、それ以上に重要なのが煙突です。
煙突は安全性を確保し、ストーブの性能を最大限に引き出すための心臓部と言えるでしょう。
煙突の費用は、使用する部材の種類(断熱二重煙突が主流)や、屋根を貫通させるのか壁を貫通させるのかといった設置方法、そして煙突全体の長さによって決まります。
一般的に、煙突関連の部材費と工事費を合わせて50万円から100万円程度かかるケースが多く、これが総費用を押し上げる大きな要因となっています。
設置工事費と周辺工事費
薪ストーブを安全に設置するための工事費も必要です。
これには、ストーブ本体の搬入・設置費用や、煙突の取り付け工事費が含まれます。
さらに、設置場所の状況に応じて追加の工事が発生することもあります。
例えば、ストーブの重量に耐えるための床の補強工事や、ストーブ背面や床面を熱から守るための炉台・炉壁(不燃材の設置)工事です。
これらの周辺工事には、10万円から30万円程度の追加費用が見込まれます。
総費用を正確に把握するためには、複数の専門業者から見積もりを取り、内訳を詳細に比較検討することが不可欠です。
以下の表に、費用の内訳と目安をまとめました。
| 項目 | 費用の目安 | 内容 | 
|---|---|---|
| 薪ストーブ本体 | 30万円~100万円以上 | 材質、暖房能力、デザインにより変動 | 
| 煙突部材・工事費 | 50万円~100万円 | 断熱二重煙突の使用、設置方法、長さにより変動 | 
| 設置・周辺工事費 | 10万円~30万円 | 本体設置、炉台・炉壁設置、床の補強など | 
| その他(アクセサリー類) | 5万円~10万円 | 薪置き、火ばさみ、灰入れ、温度計など | 
| 合計 | 95万円~240万円以上 | 家の構造や選ぶ製品により大きく変動 | 
このように、薪ストーブの後付けは決して安い買い物ではありません。
しかし、計画的に予算を立て、信頼できる業者と相談しながら進めることで、満足のいく設置が実現できるでしょう。
確認必須のデメリットと注意点
薪ストーブのある暮らしは魅力的ですが、導入してから「こんなはずではなかった」と後悔しないために、デメリットや注意点も事前にしっかりと理解しておくことが極めて重要です。
ここでは、特に確認しておくべき点をいくつかご紹介します。
薪の確保と保管場所の問題
薪ストーブを稼働させるには、当然ながら燃料となる薪が必要です。
薪は購入することもできますが、ランニングコストを考えると、原木を入手して自分で割って乾燥させるのが最も経済的でしょう。
しかし、これにはかなりの労力と時間が必要です。
また、薪は十分に乾燥させないと、煙が多く出たり、ストーブの性能が発揮されなかったり、さらには煙突内に煤やタールが付着しやすくなる原因にもなります。
理想的なのは、1~2年分の日々の暮らしで使う薪をストックしておくことですが、そのためには雨に濡れない風通しの良い、まとまった保管スペースが必要になります。
薪の入手ルートと保管場所を確保できるか、事前に検討しておくことが大切です。
定期的なメンテナンスの手間
薪ストーブを安全かつ快適に使い続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
日常的な手入れとしては、炉内に溜まった灰の処理があります。
これは数日に一度程度行う作業です。
それに加えて、シーズンオフには本体の点検や掃除、消耗部品(ガスケットなど)の交換が必要になることもあります。
そして、最も重要なメンテナンスが煙突掃除です。
煙突内に煤が溜まると、煙の排出効率が落ちるだけでなく、最悪の場合「煙道火災」という非常に危険な火災を引き起こす原因となります。
そのため、年に一度は専門業者に依頼するか、専用の道具を使って自分で煙突掃除を行う必要があります。
これらのメンテナンスを面倒に感じず、責任を持って行えるかどうかも、導入を判断する上での重要なポイントです。
煙や匂いによる近隣トラブルの可能性
住宅地で薪ストーブを使用する場合、煙や薪の燃える匂いが原因で近隣トラブルに発展するケースも少なくありません。
特に、風向きによっては洗濯物に匂いがついたり、窓を開けられなくなったりと、ご近所に迷惑をかけてしまう可能性があります。
トラブルを避けるためには、まず十分に乾燥した薪を使用することが大前提です。
また、煙の排出をクリーンにする性能の高いストーブを選ぶことや、煙突の設計(高さや位置)を専門家とよく相談し、煙が近隣の迷惑になりにくいように配慮することも重要となります。
設置前には、ご近所に薪ストーブを設置する旨を伝え、理解を得ておくといったコミュニケーションも大切になるでしょう。
これらのデメリットは、事前に対策を講じることで多くが軽減できます。
憧れだけで判断せず、現実的な側面もしっかりと受け止めた上で、導入を検討してください。
賃貸住宅でも設置は可能なのか
「賃貸住宅に住んでいるけれど、薪ストーブを設置したい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
結論から言うと、賃貸住宅への薪ストーブの後付けは、不可能ではありませんが、非常にハードルが高いと言わざるを得ません。
最も大きな障壁は、大家さんや管理会社の許可を得ることです。
薪ストーブの設置には、壁や屋根に穴を開けて煙突を通す工事が必要不可欠です。
これは建物に大規模な変更を加えることになり、通常、賃貸物件では認められません。
また、火災のリスクや、煙・匂いによる他の入居者とのトラブルの可能性を懸念され、許可が下りないケースがほとんどです。
仮に、奇跡的に大家さんから設置の許可を得られたとしても、いくつかの条件が付されることが考えられます。
- 専門業者による安全基準を満たした設置工事を行うこと
- 火災保険の内容を確認し、必要であればプランを見直すこと
- 退去時には、設置した薪ストーブや煙突をすべて撤去し、建物を借りた当初の状態に戻す「原状回復」の義務を負うこと
原状回復には、煙突のために開けた壁や屋根の穴を塞ぐなど、高額な費用がかかる可能性があります。
これらの費用はすべて自己負担となります。
現実的な選択肢としては、薪ストーブの設置が可能な戸建ての賃貸物件を探すか、将来的にマイホームを購入する際の楽しみに取っておくことだと言えるでしょう。
もしどうしても諦めきれない場合は、煙突工事が不要な「バイオエタノール暖炉」など、雰囲気を楽しむための代替品を検討するのも一つの方法かもしれません。
いずれにせよ、賃貸住宅での薪ストーブ設置は、契約内容を十分に確認し、必ず大家さんや管理会社に相談してから進めるようにしてください。
安全性を確保するために必要なこと
薪ストーブは、本物の火を扱う暖房器具です。
その温かさと魅力は比類ないものですが、一歩間違えれば火災などの重大な事故につながる危険性もはらんでいます。
薪ストーブを家に後付けする際には、安全性の確保が最優先事項となります。
ここでは、安全を確保するために絶対に守るべきポイントを解説します。
低温炭化と可燃物との離隔距離
薪ストーブの火災で特に注意したいのが「低温炭化」です。
低温炭化とは、ストーブ本体や煙突から発せられる輻射熱を長時間受け続けることで、木材などの可燃物が発火点以下の温度(100℃~200℃程度)でも炭化していき、最終的に発火に至る現象を指します。
これを防ぐために最も重要なのが、薪ストーブ本体や煙突と、壁、床、天井、家具といった可燃物との間に、十分な「離隔距離」を確保することです。
必要な離隔距離は、ストーブの機種や煙突の種類によって定められており、メーカーの取扱説明書や施工基準で必ず確認しなければなりません。
もし、家の構造上、十分な離隔距離が取れない場合は、遮熱板や不燃材で造った炉壁・炉台を設置して、壁や床を熱から守る必要があります。
炉台・炉壁の設置
前述の通り、低温炭化を防ぎ、安全性を高めるために炉台(ろだい)と炉壁(ろへき)の設置は非常に重要です。
炉台はストーブの下に敷く不燃性のステージで、床を熱から守ると同時に、ストーブからこぼれ落ちた火の粉や灰を受け止める役割も担います。
炉壁はストーブの背面や側面の壁を保護するもので、レンガや石、遮熱性能のある専用のボードなどが用いられます。
これらの設置は、建築基準法や各自治体の火災予防条例でも定められている安全基準を満たすために不可欠です。
デザイン性を高める要素でもありますが、第一の目的はあくまで防火であることを忘れてはなりません。
一酸化炭素中毒への対策
薪ストーブを使用する上で、火災と並んで警戒しなければならないのが一酸化炭素(CO)中毒です。
一酸化炭素は、薪が不完全燃焼した際に発生する無色・無臭の有毒ガスで、吸い込むと命に関わる危険があります。
一酸化炭素中毒を防ぐためには、室内の換気が非常に重要です。
最近の住宅は気密性が高いため、ストーブの燃焼に必要な空気が不足しがちです。
空気が不足すると不完全燃焼が起こりやすくなるため、定期的に窓を開けて換気するか、外気を取り入れるための給気口を設置する必要があります。
さらに、万が一に備えて、一酸化炭素警報器をストーブの近くに設置することを強く推奨します。
安全な薪ストーブライフは、正しい知識と確実な施工、そして日々の適切な使用によって成り立ちます。
設置は必ず経験豊富な専門業者に依頼し、使用前には取扱説明書を熟読するようにしましょう。
後悔しないための薪ストーブの選び方
薪ストーブは一度設置すると、簡単には交換できない長く付き合うことになる製品です。
だからこそ、デザインの好みだけでなく、性能やライフスタイルに合ったものを選ぶことが、後悔しないための重要な鍵となります。
ここでは、薪ストーブを選ぶ際の基本的なポイントをいくつかご紹介します。
暖房方式で選ぶ(輻射式・対流式)
薪ストーブの暖房方式は、大きく「輻射式」と「対流式」の2つに分けられます。
- 輻射式(ふくしゃしき)
 ストーブ本体が熱くなり、そこから放出される赤外線(輻射熱)で、床や壁、人体などを直接暖める方式です。焚き火にあたっているような、体の芯からじんわりと温まる感覚が特徴です。ストーブの近くは非常に暖かくなりますが、部屋全体が均一に暖まるのには時間がかかる傾向があります。
- 対流式(たいりゅうしき)
 ストーブ本体が二重構造などになっており、その隙間で空気を暖め、自然な空気の流れ(対流)を発生させて部屋全体を暖める方式です。部屋の温度が比較的均一になりやすく、ストーブ本体の表面温度は輻射式ほど高温にならないため、小さなお子様やペットがいるご家庭でも比較的安心感があります。
どちらの方式が良いかは、家の断熱性や間取り、そしてどのような暖かさを好むかによって異なります。
本体の材質で選ぶ(鋳物製・鋼板製)
薪ストーブの本体に使われる主な材質は「鋳物(いもの)」と「鋼板(こうはん)」です。
鋳物製は、溶かした鉄を型に流し込んで作られます。
重厚感があり、蓄熱性が高いのが特徴です。
一度暖まると火が消えた後も長く熱を保ち続けますが、暖まるまでに時間がかかり、急激な温度変化に弱いという側面もあります。
一方、鋼板製は、鉄の板を溶接して作られます。
鋳物製に比べて熱しやすく、比較的早く部屋を暖めることができます。
デザインの自由度も高いですが、蓄熱性は鋳物製に劣るため、火が消えると冷めやすい傾向があります。
暖房能力と部屋の広さのバランス
薪ストーブを選ぶ際に非常に重要なのが、設置する部屋の広さや家の断熱性能に見合った暖房能力を持つ機種を選ぶことです。
暖房能力は「kW(キロワット)」や「kcal(キロカロリー)」で示されます。
必要以上に能力の大きなストーブを選ぶと、暑くなりすぎて温度調節が難しくなったり、逆に能力が小さすぎると、最大出力で運転し続けても部屋が暖まらないという事態に陥ります。
オーバースペックなストーブは、燃焼を絞って運転(チョーキング)しがちになり、不完全燃焼を起こして煙突を汚す原因にもなります。
家の広さ、断熱性、天井の高さ、吹き抜けの有無などを専門業者に伝え、最適な暖房能力のモデルを提案してもらうのが最も確実な方法です。
これらのポイントを参考に、ショールームなどで実物を見ながら、自分の家にぴったりの一台を見つけてください。
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薪ストーブを家に後付けする具体的な手順と法律
◆この章のポイント◆
- 設置工事の基本的な流れを解説
- 最も重要な煙突設置の知識
- 床の補強はどの程度必要になるか
- 遵守すべき法律や条例について
- 長く使うためのメンテナンス方法
薪ストーブを家に後付けする決意が固まったら、次はいよいよ具体的な設置段階へと進みます。
ここからは、実際にどのような手順で工事が行われるのか、そして安全な設置に不可欠な煙突や床の補強、さらには遵守すべき法律について、専門的な内容を分かりやすく解説していきます。
また、設置後の長いお付き合いに欠かせないメンテナンスについても触れていきます。
正しい知識を身につけることが、安全で快適な薪ストーブライフの基盤となります。
設置工事の基本的な流れを解説
薪ストーブの後付け工事は、専門的な知識と技術を要する作業です。
安全を確保するためにも、必ず信頼できる専門の施工業者に依頼しましょう。
ここでは、業者に依頼してから設置が完了するまでの一般的な流れを解説します。
1. 業者への相談と現地調査
まずは、薪ストーブの販売や施工を行っている専門業者に相談することから始まります。
ウェブサイトやショールームで情報を集め、いくつかの業者に問い合わせてみましょう。
その後、業者の担当者が実際に家を訪れ、現地調査を行います。
この調査では、ストーブを設置したい場所、家の構造、間取り、屋根の形状などを確認し、設置が可能かどうか、どのようなプランが最適かを判断します。
この段階で、自分の希望やライフスタイル、予算などを詳しく伝えることが重要です。
2. プランニングと見積もりの提示
現地調査の結果をもとに、業者が具体的な設置プランを作成します。
どの薪ストーブを、家のどこに、どのように設置するか、煙突はどこから抜くか、炉台や炉壁はどうするかといった詳細な計画です。
そして、このプランに基づいた詳細な見積もりが提示されます。
見積書を受け取ったら、薪ストーブ本体、煙突部材、工事費などの内訳が明確に記載されているかを確認しましょう。
不明な点があれば、納得がいくまで質問することが大切です。
3. 契約と工事日程の決定
提示されたプランと見積もりに納得できれば、正式に契約を結びます。
契約書の内容をよく確認し、工事の範囲や保証、アフターサービスについてもチェックしておきましょう。
契約後、具体的な工事の日程を調整します。
薪ストーブのシーズンである秋から冬にかけては工事が混み合うため、早めに計画を進めることをお勧めします。
4. 設置工事の実施
いよいよ設置工事の開始です。
工事の期間は、内容にもよりますが、通常1日から3日程度です。
主な工事内容は以下の通りです。
- 養生:工事中に家の中が汚れないよう、床や壁を保護します。
- 炉台・炉壁の設置:床や壁を熱から守るための不燃工事を行います。
- 床の補強:必要に応じて、ストーブの重量を支えるための補強工事を行います。
- 煙突の設置:壁や屋根に穴を開け、煙突を取り付けます。最も専門性が求められる重要な工程です。
- 本体の設置:薪ストーブ本体を炉台の上に設置し、煙突と接続します。
5. 試運転と取り扱い説明
すべての設置工事が完了したら、最後に試運転(火入れ式)を行います。
実際に薪を燃やし、ストーブが正常に作動するか、煙がスムーズに排出されるかなどを確認します。
この時、業者の担当者から、薪ストーブの基本的な使い方、燃焼の調整方法、日常のメンテナンス、安全上の注意点などについて詳しい説明を受けます。
ここでしっかりと説明を聞き、分からないことはすべて質問しておくことが、その後の安全な使用につながります。
以上が、薪ストーブを後付けする際の一般的な工事の流れです。
信頼できるパートナー(業者)を見つけることが、成功の第一歩と言えるでしょう。
最も重要な煙突設置の知識
「薪ストーブは煙突が命」と言われるほど、煙突の設計と施工は薪ストーブの性能と安全性を左右する最も重要な要素です。
煙突が正しく機能しないと、煙が室内に逆流したり、ストーブがうまく燃えなかったり、最悪の場合は煙道火災を引き起こしたりする原因となります。
煙突の役割とドラフト効果
煙突の最も重要な役割は、薪が燃えて発生した煙を安全に屋外へ排出することです。
そしてもう一つ、重要な役割が「ドラフト(上昇気流)効果」を生み出すことです。
ドラフト効果とは、煙突内の暖かい空気が外の冷たい空気よりも軽いために上昇する力を利用して、ストーブの燃焼に必要な新鮮な空気を炉内に引き込み、同時に煙を屋外へ引き出す現象を指します。
このドラフトが適切に発生することで、薪は効率よく燃焼し、煙もスムーズに排出されるのです。
ドラフトは、煙突の高さ、太さ、形状、断熱性能など、様々な要因に影響されます。
断熱二重煙突の必要性
現在、薪ストーブの煙突として主流であり、安全基準上も強く推奨されているのが「断熱二重煙突」です。
これは、内側の煙が通る管(内筒)と外側の管(外筒)の間に、高温に耐える断熱材が充填された構造の煙突です。
断熱二重煙突を使用するメリットは数多くあります。
- 安定したドラフトの確保:煙突内の温度が冷めにくいため、強力で安定したドラフト効果を維持できます。
- 煤やタールの付着抑制:煙の温度が下がりにくいため、煙に含まれる水分や可燃性物質が結露して煤(すす)やタールとして付着するのを防ぎます。
- 安全性の向上:煙突の表面温度がシングル(一重)煙突に比べて大幅に低く抑えられるため、低温炭化による火災のリスクを大きく低減できます。
初期費用は高くなりますが、安全性と性能を考慮すれば、断熱二重煙突は必須の選択と言えるでしょう。
煙突のプランニング(貫通箇所と高さ)
煙突をどのように設置するか(煙突プラン)も非常に重要です。
主な方法として、屋根をまっすぐ貫通させる「屋根抜き」と、壁を貫通させてから屋外で立ち上げる「壁抜き」があります。
一般的に、まっすぐな煙突の方がドラフト効果が強くなるため、性能面では屋根抜きが有利とされています。
また、煙突の高さも重要です。
煙突の先端(トップ)は、屋根の最も高い部分(棟)から一定の高さを確保するなど、建築基準法で定められた基準を満たす必要があります。
これは、風の影響で煙が逆流したり、火の粉が屋根に落ちて火災になったりするのを防ぐためです。
煙突のプランニングは、家の構造や周辺環境を考慮した上で、専門的な知識を持つプロフェッショナルが行うべき領域です。
安易なDIYなどは絶対に避け、必ず経験豊富な業者に依頼してください。
床の補強はどの程度必要になるか
薪ストーブを家に後付けする際、見落としがちですが非常に重要なのが床の強度です。
薪ストーブ本体は、小型のものでも100kg前後、鋳物製の大型モデルになると200kgを超える重量があります。
さらに、その下に設置する炉台(レンガや石など)の重さも加わるため、設置場所の床には相当な荷重がかかることになります。
床の補強が必要な理由
日本の一般的な木造住宅の床は、建築基準法で定められた積載荷重(1平方メートルあたり約180kg)を想定して設計されています。
薪ストーブと炉台を合わせた重量がこの基準を超える場合や、床の構造が弱い場合には、床が沈んだり、歪んだりする恐れがあるため、床の補強工事が必要になります。
特に、築年数が古い住宅や、根太(床板を支える角材)の間隔が広い場合などは注意が必要です。
床の補強が必要かどうかは、専門家による現地調査で判断してもらうのが最も確実です。
自己判断で設置を進めるのは非常に危険です。
床の補強方法
床の補強工事は、床下の構造によって方法が異なります。
代表的な方法としては、以下のようなものがあります。
- 根太の追加:床を支える根太と根太の間に、新しく根太を追加して強度を高める方法です。
- 束(つか)の設置:床下から、床を支える大引(おおびき)を鋼製や木製の束で支え、荷重を地面に直接伝える方法です。最も一般的で効果的な補強方法の一つです。
- 構造用合板の増し貼り:既存の床の上に厚い構造用合板を重ねて貼ることで、荷重を分散させ、床全体の剛性を高める方法です。
どの方法が最適かは、家の構造やストーブの重量によって異なります。
通常、これらの工事は薪ストーブの設置業者が併せて行ってくれます。
床下に入っての作業となるため、床下点検口の有無も確認しておくと良いでしょう。
安全な薪ストーブライフの土台となる床の補強は、軽視せずに確実に行うようにしてください。
遵守すべき法律や条例について
薪ストーブを設置することは、単に暖房器具を置くということだけではありません。
火を扱う設備であるため、建築基準法や各自治体が定める火災予防条例など、いくつかの法律や条例が関わってきます。
これらのルールは、すべて自分自身と家族、そして隣人の安全を守るために定められています。
専門業者に設置を依頼すれば、基本的にこれらの法令を遵守した施工を行ってくれますが、施主としても基本的な知識を持っておくことは大切です。
建築基準法
建築基準法では、火災の発生を防ぐために、ストーブなどの火気使用室の構造や、煙突の設置基準について定められています。
特に重要なのが、煙突に関する規定です。
例えば、「煙突の屋根からの突き出し高さ」や「煙突と建物の可燃部分との離隔距離」などが細かく定められています。
これらの基準を満たさない煙突は、風による煙の逆流や、火災のリスクを高めるため、厳守しなければなりません。
火災予防条例
建築基準法を補完する形で、各市町村が「火災予防条例」を定めています。
この条例では、薪ストーブ本体や煙突と、壁・床・天井などの可燃物との間に確保すべき離隔距離が具体的に定められています。
また、離隔距離が十分に取れない場合に必要となる、不燃材料で造られた炉台や防熱板(炉壁)の構造についても規定されています。
お住まいの地域の火災予防条例の内容は、市町村の役場や消防署のウェブサイトなどで確認することができます。
専門業者と打ち合わせをする際に、これらの法令に準拠した設計になっているかを確認すると、より安心できるでしょう。
設置届の必要性
多くの自治体では、火災予防条例に基づき、薪ストーブのような火を使用する設備を設置する際に、所轄の消防署へ「火気設備設置届」の提出を義務付けています。
この届出は、消防署が建物の火気設備の使用状況を把握し、火災予防の指導などに役立てるためのものです。
届出が必要かどうか、またその手続きの方法については、設置を依頼する業者か、管轄の消防署に確認してください。
通常は、施工業者が届出を代行してくれるケースが多いです。
法律や条例と聞くと難しく感じるかもしれませんが、これらはすべて安全のための最低限のルールです。
信頼できる専門業者に任せることが、法令を遵守し、安全な設置を実現する最も確実な方法と言えます。
長く使うためのメンテナンス方法
薪ストーブは、設置して終わりではありません。
車と同じように、定期的なメンテナンスを行うことで、その性能を維持し、安全に長く使い続けることができます。
メンテナンスを怠ると、暖房効率が落ちるだけでなく、故障や火災の原因にもなりかねません。
ここでは、日常的に行うべき手入れから、シーズンごとに行う本格的なメンテナンスまで、基本的な方法をご紹介します。
日常の手入れ
日常的に行うメンテナンスは、主に炉内の灰の処理とガラスの掃除です。
- 灰の処理:炉内に灰が溜まりすぎると、空気の流れが悪くなり、燃焼効率が低下します。灰受け皿に溜まった灰は、2~3日に一度、専用の金属製バケツなどに取り出して処理しましょう。ただし、炉床に少し灰を残しておく(1~2cm程度)と、炉床を保護し、次の着火がしやすくなる効果があります。
- ガラスの掃除:ストーブのガラスが煤で曇ると、美しい炎が見えなくなってしまいます。ガラスの汚れは、濡らした新聞紙に灰を少しつけてこすると、きれいに落とすことができます。汚れがひどくなる前に、こまめに掃除するのがポイントです。
シーズンオフのメンテナンス
薪ストーブを使わない春から秋にかけてのシーズンオフには、少し時間をかけて本体と煙突の点検・清掃を行いましょう。
- 本体の清掃:炉内に残った灰を完全に取り除き、内部をブラシなどで掃除します。ストーブ表面の汚れも拭き取り、必要であれば耐熱塗料で補修します。
- 部品の点検・交換:ドアの気密性を保つためのガスケット(ロープ状のパッキン)が硬化したり、すり減ったりしていないかを確認します。劣化している場合は交換が必要です。また、炉内を保護している耐火レンガ(バーミキュライトなど)に割れや欠けがないかもチェックしましょう。
最も重要な煙突掃除
メンテナンスの中で最も重要かつ専門性が高いのが煙突掃除です。
薪を燃やすと、煙とともに煤やクレオソート(木タール)といった可燃性の物質が煙突の内部に付着します。
これが溜まりすぎると、煙の通り道を塞いでドラフト効果を弱めるだけでなく、何らかのきっかけで引火し、煙突内部で激しく燃え上がる「煙道火災」を引き起こす原因となります。
煙道火災は非常に高温になり、建物火災につながる危険性が高いため、予防が不可欠です。
煙突掃除は、少なくとも年に1回、シーズンオフに行うのが基本です。
屋根に上る高所作業となり危険も伴うため、基本的にはプロの業者に依頼することをお勧めします。
自分で挑戦する場合は、専用の掃除用具を揃え、安全対策を万全にした上で行ってください。
適切なメンテナンスは、薪ストーブへの愛情の証です。
手間をかけた分だけ、ストーブは応えてくれ、安全で快適な温もりを提供し続けてくれるでしょう。
薪ストーブを家に後付けして豊かな暮らしを実現
この記事では、薪ストーブを家に後付けするために必要な様々な情報について、詳しく解説してきました。
費用の内訳から始まり、デメリットや安全性の確保、具体的な工事の流れ、そして法律やメンテナンスに至るまで、多岐にわたる知識が必要であることをご理解いただけたかと思います。
確かに、薪ストーブの導入には初期投資もかかりますし、薪の準備や日々のメンテナンスといった手間も必要です。
しかし、それらを上回るほどの魅力と価値が、薪ストーブのある暮らしには存在します。
揺らめく炎を眺めながら過ごす静かな時間、遠赤外線で体の芯から温まる心地よさ、そしてピザや煮込み料理など、ストーブを使った料理の楽しみ。
これらは、他の暖房器具では決して味わうことのできない、薪ストーブならではの豊かさです。
薪ストーブを家に後付けすることは、単なる暖房設備の導入ではなく、ライフスタイルそのものをより深く、味わい深いものへと変えていくための投資と言えるのかもしれません。
本記事で得た知識をもとに、信頼できる専門家と相談しながら、ぜひあなたの理想の薪ストーブライフを実現してください。
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本日のまとめ
- 薪ストーブの後付け費用は総額100万円から200万円が目安
- 費用はストーブ本体・煙突・工事費で構成される
- デメリットは薪の確保とメンテナンスの手間
- 煙や匂いによる近隣トラブルの可能性に注意が必要
- 賃貸住宅への設置は大家の許可が必要で非常に困難
- 安全性確保には可燃物との離隔距離が最重要
- 低温炭化を防ぐため炉台や炉壁の設置が必須
- ストーブ選びは暖房方式と部屋の広さがポイント
- 設置工事は専門業者への依頼が絶対条件
- 煙突は安定した排煙と安全を担う心臓部
- 安全性の高い断熱二重煙突の使用が推奨される
- ストーブの重量に耐えるための床の補強が必要な場合がある
- 建築基準法や火災予防条例の遵守が義務付けられている
- 年に一度の煙突掃除は煙道火災予防に不可欠
- 薪ストーブを家に後付けすることは豊かな暮らしへの投資

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参考サイト
薪ストーブを既存の家に後付けする時には – KNOWLEDGE | アンデルセンストーブ
薪ストーブを後付けするときにかかる費用とは?魅力や選び方を解説 | KATZDEN
リノベーションで薪ストーブの後付けはできる?注意点や事例も紹介 – スロウル
薪ストーブの後付け(リフォーム) – エープラス
憧れの薪ストーブをDIYで設置!施工費と施工手順
 
  
  
  
  

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