500万円で建てられる家は本当？総額や間取りのからくりを解説

こんにちは、サイト管理人です

「500万円で建てられる家」という広告や情報を目にし、本当にそんな価格でマイホームが手に入るのかと疑問に思ったことはありませんか。

多くの方が夢見るマイホームですが、予算の壁は非常に大きいものです。

特に、破格とも思える500万円という金額は、非常に魅力的であると同時に、何か裏があるのではないかという不安も感じさせるかもしれません。

この記事では、500万円で建てられる家というテーマについて、その価格のからくりや実際に必要となる総額の目安を詳しく解説します。

どのような間取りや広さの家が実現可能なのか、人気の平屋は建てられるのか、そしてローコスト住宅という選択肢についても深掘りしていきます。

また、理想の家づくりをサポートしてくれるハウスメーカーの選び方から、知っておくべきデメリットや注意点まで、後悔しないための重要なポイントを網羅しました。

さらに、コストを抑えるためのセルフビルドや、新築にこだわらない中古物件という選択肢、住宅キットの活用法など、幅広い可能性を探ります。

この記事を読めば、500万円で建てられる家という言葉の裏にある真実を理解し、ご自身の状況に合わせた賢い家づくりの第一歩を踏み出せるはずです。

◆このサイトでわかる事◆

500万円という価格の本当の意味
家を建てるのに必要な総額費用の内訳
広告に隠された「500万円の家」のからくり
予算内で実現可能な家の間取りと仕様
ローコスト住宅やハウスメーカー選びのコツ
知っておくべきデメリットと具体的な注意点
セルフビルドや中古リノベという選択肢

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500万円で建てられる家のからくりと総額の内訳
後悔しない500万円で建てられる家の実現方法

500万円で建てられる家のからくりと総額の内訳

◆この章のポイント◆

500万円は本体価格のみ？総額の目安
広告で見る「500万円の家」のからくり
500万円で実現可能な家の間取りと広さ
人気の平屋プランは建築可能か
頼れるローコスト住宅という選択肢
注目されるタイニーハウスやキットの活用

500万円は本体価格のみ？総額の目安

住宅広告などで「500万円の家」という魅力的なキャッチコピーを見かけた際、まず理解しておくべき最も重要なことがあります。

それは、この金額が家を建てて住み始めるまでにかかる全ての費用、つまり「総額」ではないということです。

多くの場合、広告で提示される価格は「建物本体工事費」のみを指しています。

家づくりにかかる費用は、大きく分けて3つの要素で構成されているのです。

まず1つ目が「建物本体工事費」です。

これは、文字通り建物の構造や内外装、基本的な設備など、家そのものを作るための費用を指します。

総費用の約70%から80%を占めるのが一般的ですが、500万円という価格設定の場合は、この比率がさらに高くなることも考えられます。

次に2つ目の要素として「別途工事費」が存在します。

これは、建物本体以外で必要になる工事にかかる費用です。

例えば、古い家の解体費用、土地の地盤改良費用、駐車場や庭などの外構工事費用、電気や水道、ガスを敷地内に引き込むための工事費用などが含まれます。

これらの費用は土地の状況によって大きく変動し、総費用の約15%から20%程度が目安となります。

そして3つ目が「諸費用」です。

工事そのものではありませんが、家づくりに付随して必ず発生する費用を指します。

具体的には、建築確認申請などの手続きにかかる費用、住宅ローンの手数料や保証料、火災保険料、不動産取得税や登記費用といった税金や法的手続きの費用などです。

これは総費用の約5%から10%が目安とされています。

したがって、仮に建物本体価格が500万円であったとしても、別途工事費と諸費用を合わせると、実際に支払う総額は700万円から1000万円近くになる可能性も十分に考えられます。

この「総額」を意識せずに計画を進めてしまうと、後から次々と追加費用が発生し、予算を大幅にオーバーしてしまうという事態に陥りかねません。

家づくりの第一歩は、広告の価格を鵜呑みにせず、総額でいくらかかるのかを正確に把握することから始まります。

費用の種類	内容	総費用に占める割合の目安
建物本体工事費	家の構造、内外装、屋根、壁、床、基本的なキッチンや浴室など	約70%～80%
別途工事費	地盤改良、外構工事、給排水・ガス引き込み、空調設備工事など	約15%～20%
諸費用	各種税金、登記費用、ローン手数料、保険料、申請費用など	約5%～10%

この表からも分かるように、本体価格500万円の裏には、数百万円単位の追加費用が控えていることを忘れてはなりません。

最初の資金計画の段階で、ハウスメーカーや工務店に総額での見積もりを依頼し、詳細な内訳を確認することが極めて重要です。

広告で見る「500万円の家」のからくり

広告で大々的に打ち出される「500万円で建てられる家」という言葉には、消費者の目を引くための「からくり」が存在します。

前述の通り、この価格はあくまで「建物本体工事費」の最低ラインであることがほとんどですが、その本体工事費の中身さえも、標準的な仕様から多くのものが削られているケースが少なくありません。

この価格のからくりを理解しなければ、理想と現実のギャップに苦しむことになります。

まず、広告の価格に含まれていないものの代表例を見ていきましょう。

土地代金: 当然ですが、家を建てるための土地がなければ話になりません。土地を持っていない場合は、500万円とは別に数百万円から数千万円の土地取得費用が必要です。
付帯工事費: 前述の「別途工事費」のことです。地盤調査・改良、給排水管やガス管の引き込み、外構（フェンス、駐車場など）は、ほぼ全てのケースで必須となりますが、広告価格には含まれていません。
オプション設備: 広告の家は、最低限の設備しか付いていない「素の状態」であることが多いです。エアコン、カーテンレール、照明器具、網戸、テレビアンテナなどは「オプション」として追加費用がかかるのが一般的です。
諸費用: ローン手数料、登記費用、保険料、税金なども、当然ながら別途必要になります。

つまり、広告の500万円という価格は、あくまで「オプションなしの建物の箱」の値段に近いと考えるべきです。

さらに、その「箱」の品質にも注意が必要です。

価格を抑えるために、以下のようなコストカットが行われている場合があります。

例えば、断熱材のグレードが低かったり、壁紙やフローリングが最も安価な量産品であったり、窓の性能が低かったりすることが考えられます。

キッチンやお風呂、トイレなどの水回り設備も、最低限の機能しかないモデルが標準仕様となっていることが多いでしょう。

これらの仕様を一般的なレベルにグレードアップしようとすると、次々とオプション料金が加算され、あっという間に価格が跳ね上がってしまいます。

このからくりを知らずに住宅展示場や相談会に行くと、「500万円で建てられると聞いて来たのに、話が違う」と感じることになるでしょう。

しかし、これは決して業者側が悪意を持って騙そうとしているわけではありません。

住宅業界の慣習として、価格を分かりやすく（そして魅力的に）見せるために、このような表示方法が採られているのが実情なのです。

賢い消費者は、この「からくり」を理解した上で、広告の価格を「家づくりの最低限の出発点」と捉える必要があります。

そして、本当に自分たちが住みたい家の総額はいくらになるのか、標準仕様の内容は何か、どこからがオプションになるのかを、契約前に徹底的に確認する姿勢が不可欠です。

500万円で実現可能な家の間取りと広さ

では、仮に建物本体価格500万円という予算の範囲内で家を建てるとした場合、どのような間取りや広さの家が実現可能なのでしょうか。

結論から言うと、かなりコンパクトでシンプルな家になると考えられます。

まず広さですが、一般的に500万円で建てられる家の延床面積は、10坪（約33平方メートル）から15坪（約50平方メートル）程度が上限となるでしょう。

これは、ワンルームマンションや1LDKのアパートと同じくらいの広さです。

夫婦2人、あるいは単身で住むには十分かもしれませんが、子どもがいるファミリー層には手狭に感じる広さと言えます。

次に間取りです。

コストを抑えるためには、建物の形状をできるだけシンプルにする必要があります。

凹凸の多い複雑な形は、壁の面積や角が増え、基礎や屋根の工事も複雑になるため、材料費と手間（人件費）の両方がかさんでしまいます。

そのため、最もコスト効率が良いのは、正方形や長方形の「シンプルな箱型の形状」です。

総二階建て（1階と2階がほぼ同じ面積の四角い家）は、基礎と屋根の面積を抑えつつ床面積を確保できるため、ローコスト住宅ではよく採用される形状です。

内部の間取りも、壁やドアの数を極力減らしたオープンなプランが基本となります。

例えば、LDKと寝室が1つずつの「1LDK」や、間仕切りをなくした「スタジオタイプ」などが考えられます。

部屋数を増やそうとすると、その分、壁やドア、照明、コンセントなどの費用が追加でかかってくるため、500万円の予算内では厳しくなります。

また、住宅設備や内装についても、選択肢はかなり限定されるでしょう。

キッチン、バス、トイレは、ハウスメーカーが大量に仕入れている最もベーシックなグレードのものになります。

食洗機や浴室乾燥機といった便利な機能は、まず付いていないと考えた方がよいでしょう。

壁紙や床材も、選択肢は数種類しかなく、デザイン性に富んだものは選べません。

収納についても、作り付けのクローゼットや棚は最小限になるため、自分で家具を買い足す必要が出てきます。

このように、500万円で建てられる家は「小さな暮らし」や「ミニマルな生活」を志向する人向けの選択肢と言えます。

全てを家の中に詰め込むのではなく、本当に必要なものだけを選び、シンプルな空間で満足できるかどうかが、この価格帯の家で後悔しないための鍵となります。

頼れるローコスト住宅という選択肢

500万円という限られた予算で家づくりを考える上で、最も現実的なパートナーとなるのが「ローコスト住宅」を専門に手掛けるハウスメーカーや工務店です。

ローコスト住宅と聞くと、「安かろう悪かろう」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、その安さにはしっかりとした理由があります。

その仕組みを理解することで、賢くコストを抑えることが可能になります。

ローコスト住宅メーカーが低価格を実現できる理由は、主に以下の4つのポイントに集約されます。

仕様の規格化: 間取りやデザイン、内外装の素材、キッチンやバスなどの設備を、あらかじめ決められたいくつかのパターンに限定します。これにより、施主一人ひとりの要望に合わせて設計する「注文住宅」と比べて、設計にかかる時間と人件費を大幅に削減できます。
建材や設備の一括大量仕入れ: 仕様を規格化することで、使用する建材や設備の種類も絞られます。同じものを大量に仕入れることで、メーカーは仕入れコストを大幅に下げることができ、その分を価格に反映させています。
人件費・広告費の削減: 豪華なカタログや住宅展示場、テレビCMといった大々的な広告宣伝を控え、人件費も最小限に抑えることで、販売管理費を圧縮しています。Webサイトや口コミを中心に集客しているメーカーも多いです。
工期の短縮: シンプルな設計と規格化された建材を用いることで、現場での作業がスムーズに進み、工期を短縮できます。工期が短くなれば、その分、現場の職人さんの人件費も抑えることができます。

これらの企業努力によって、ローコスト住宅は成り立っています。

決して手抜き工事をしたり、違法な材料を使ったりして安くしているわけではありません。

500万円台から建てられる家を商品として持っているメーカーも、少数ですが存在します。

そうしたメーカーのプランは、まさにこのローコストの仕組みを極限まで突き詰めたものと言えるでしょう。

デザインや間取りの自由度は低いですが、決められた選択肢の中から選ぶというスタイルに納得できれば、非常に心強い選択肢となります。

ローコスト住宅メーカーを選ぶ際には、いくつかの注意点があります。

まず、表示価格にどこまでの工事や費用が含まれているのかを、契約前に必ず確認することです。

「標準仕様」の内容を詳細にリストアップしてもらい、自分たちが望む暮らしに何が足りないのか、オプションとして何を追加する必要があるのかを明確にしましょう。

また、安さばかりに目を奪われず、その会社の施工実績や評判、アフターサービスの内容もしっかりと確認することが大切です。

実際にそのメーカーで建てた人の口コミをインターネットで調べたり、可能であれば完成見学会などに参加して、建物の品質を自分の目で確かめたりすることをお勧めします。

注目されるタイニーハウスやキットの活用

500万円で建てられる家を考えるとき、従来の発想にとらわれず、新しい住まいの形に目を向けることも有効なアプローチです。

その代表格が「タイニーハウス」と「住宅キット」の活用です。

タイニーハウスとは、その名の通り「小さな家」のことです。

明確な定義はありませんが、一般的には延床面積が10坪（約33平方メートル）前後のコンパクトな家を指します。

必要最小限のスペースで暮らすという思想は、ミニマリズムの考え方とも通じ、近年、若い世代を中心に注目を集めています。

タイニーハウスの最大のメリットは、その建築コストの安さです。

建物が小さいため、使用する建材の量が少なく、基礎や屋根の面積も小さくて済みます。

また、工期も短く、人件費を抑えることができます。

これにより、500万円という予算内でも十分に建築可能なプランが見つかる可能性があります。

土地を所有している人が離れとして建てたり、趣味の小屋やセカンドハウスとして活用したりするケースも増えています。

次に「住宅キット」という選択肢です。

これは、家を建てるために必要な構造材や壁材、断熱材、窓、ドアなどが、あらかじめ工場でカット・加工され、セット（キット）として販売されているものです。

プラモデルのように、現場ではそのキットを組み立てていくのが主な作業となります。

住宅キットのメリットは、品質が安定していることと、コストを抑えられる点にあります。

工場で精密に加工されているため、現場での作業ロスが少なく、工期も短縮できます。

また、設計が規格化されているため、設計料も安く済みます。

価格帯は非常に幅広く、小屋のような小さなものであれば100万円台から、居住可能な住宅タイプでも300万円台から見つけることが可能です。

500万円の予算があれば、比較的選択肢も広がるでしょう。

特に、住宅キットはセルフビルドやハーフビルドと非常に相性が良いという特徴があります。

組み立て作業の一部、あるいは全部を自分たちの手で行う（セルフビルド）ことで、施工を依頼するはずだった人件費を大幅に節約できます。

もちろん、専門的な知識や技術、そして時間と労力が必要になりますが、DIYが得意な方にとっては、コストを抑えつつ家づくりそのものを楽しむという、またとない経験になるでしょう。

タイニーハウスや住宅キットは、まだ日本では一般的な選択肢とは言えませんが、限られた予算の中で個性的で満足度の高い家を実現するための、非常に有力な方法と言えます。

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後悔しない500万円で建てられる家の実現方法

◆この章のポイント◆

評判の良いハウスメーカーの探し方
知っておくべきデメリットと注意点
費用を抑えるセルフビルドという道
新築にこだわらず中古物件も視野に
賢い計画で実現する500万円で建てられる家

評判の良いハウスメーカーの探し方

500万円という限られた予算で満足のいく家を建てるためには、信頼できるパートナー、つまり評判の良いハウスメーカーや工務店を見つけることが何よりも重要です。

価格が安いということは、それだけ様々な制約があるということです。

そうした制約について誠実に説明し、施主の不安や疑問に寄り添ってくれる会社でなければ、後悔の残る家づくりになってしまいます。

では、どのようにして評判の良い会社を探せばよいのでしょうか。

まず最初に行うべきは、500万円台の家、あるいはローコスト住宅を専門的に扱っている会社をリストアップすることです。

一般的な注文住宅をメインにしている会社に相談しても、予算的に難しいと断られたり、不得意な分野で話が進まなかったりする可能性が高いからです。

インターネットで「ローコスト住宅メーカー」「500万円家」といったキーワードで検索し、候補となる会社をいくつか見つけましょう。

次に、リストアップした会社の評判を徹底的に調べます。

会社の公式ウェブサイトを見るのはもちろんですが、それ以上に重要なのが、第三者の客観的な情報です。

口コミサイトやSNSの確認: 「会社名評判」「会社名口コミ」などで検索し、実際にその会社で家を建てた人の生の声を探します。良い評価だけでなく、悪い評価にも目を通し、どのような点に不満を感じる人が多いのかを把握することが大切です。
施工事例の確認: 会社のウェブサイトには、これまでに建てた家の施工事例が掲載されています。デザインの傾向や、どのくらいの価格でどのような家が建つのかを具体的にイメージするのに役立ちます。特に、自分たちの予算に近い価格帯の事例を重点的にチェックしましょう。
完成見学会への参加: 候補の会社が完成見学会やモデルハウスを公開している場合は、積極的に足を運びましょう。写真だけでは分からない建物の質感や空間の広がり、断熱性などを自分の五感で確かめることができます。また、そこにいる担当者の対応や知識レベルも、会社を見極める重要な判断材料になります。

いくつかの会社に絞り込めたら、次はいよいよコンタクトを取り、具体的な相談や見積もりの依頼に進みます。

この段階で見るべきポイントは、担当者がこちらの話を親身に聞いてくれるか、専門用語ばかり使わずに分かりやすく説明してくれるか、そしてメリットだけでなくデメリットも正直に話してくれるか、という点です。

また、見積もりを依頼する際は、必ず「総額での見積もり」をお願いしましょう。

建物本体価格だけでなく、付帯工事費や諸費用を含めた、実際に支払う必要のある全ての金額を提示してもらうのです。

その上で、見積もりの内容について、項目一つひとつを丁寧に説明してくれる会社は信頼できる可能性が高いと言えます。

複数の会社から相見積もりを取り、価格と内容、そして担当者の対応を総合的に比較検討することで、自分たちにとって最適なパートナーが見つかるはずです。

知っておくべきデメリットと注意点

500万円で建てられる家は、価格的な魅力が大きい一方で、必ず知っておかなければならないデメリットや注意点も存在します。

これらを事前に理解し、許容できるかどうかを判断することが、後悔しない家づくりのためには不可欠です。

価格を抑えている分、何らかのトレードオフが発生するのは避けられません。

主なデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

デメリット	具体的な内容・注意点
性能面の懸念	コスト削減のため、断熱材や気密シートが最低限の仕様になっている場合があります。これにより、夏は暑く冬は寒い家になり、光熱費がかさんでしまう可能性があります。壁が薄く、遮音性が低いことも考えられます。
耐久性・メンテナンス	安価な外壁材や屋根材は、劣化が早い傾向にあります。数年で色褪せやひび割れが起こり、早い段階でメンテナンス（再塗装や張り替え）が必要になるかもしれません。長期的な視点で見ると、かえってコストがかかる可能性も考慮すべきです。
デザイン・間取りの制約	前述の通り、建物の形状はシンプルな箱型に、間取りも規格化されたプランから選ぶのが基本です。個性的なデザインや、自分たちのライフスタイルに合わせた自由な間取りの実現は困難です。
設備のグレード	キッチン、バス、トイレなどの設備は、最低限の機能を持つベーシックなモデルになります。デザイン性や最新の便利な機能は期待できません。
資産価値	将来的に家を売却しようと考えた場合、ローコスト住宅は一般的な注文住宅に比べて資産価値が低く評価される傾向にあります。買い手が見つかりにくい可能性もゼロではありません。

これらのデメリットを理解した上で、どこまでを許容し、どこに優先順位を置くかを家族で話し合うことが重要です。

例えば、「デザインにはこだわらないから、その分、断熱性能だけはオプションでグレードアップしたい」「最初は最低限の仕様で住み始めて、お金が貯まったらDIYで少しずつ良くしていこう」といったように、自分たちなりの価値観を明確にしておくのです。

また、契約前には以下の点に特に注意してください。

第一に、保証とアフターサービスの内容の確認です。

住宅には法律で定められた10年間の瑕疵担保責任がありますが、それ以外の定期点検やメンテナンスの体制がどうなっているかは、会社によって大きく異なります。「建てて終わり」ではなく、長年にわたって安心して住み続けられるサポート体制があるかを確認しましょう。

第二に、契約書の詳細なチェックです。

見積書に含まれている工事内容、標準仕様の範囲、オプション料金の内訳などが、全て契約書に明記されているかを確認します。少しでも疑問に思う点があれば、署名・捺印する前に必ず担当者に質問し、納得できるまで説明を求めることが大切です。口約束は避け、全ての合意事項を文書で残すようにしましょう。

費用を抑えるセルフビルドという道

家づくりにかかる費用のうち、大きな割合を占めるのが「人件費」です。

もし、この人件費を大幅に削減できれば、500万円という予算でも、より質の高い、あるいはより広い家を実現できる可能性が生まれます。

そのための究極的な手段が「セルフビルド」、つまり自分たちの手で家を建てるという道です。

セルフビルドと一言で言っても、その関与の度合いには様々なレベルがあります。

全ての工程を自分で行う「フルビルド」から、専門的な知識が必要な基礎工事や構造躯体の組み立て、電気・水道工事などはプロに任せ、内外装の仕上げなど、比較的作業しやすい部分だけを自分たちで行う「ハーフビルド」まで様々です。

現実的な選択肢としては、ハーフビルドが挙げられます。

例えば、以下のような作業を自分たちで行うことで、コストを削減できます。

内壁の塗装・漆喰塗り: ペンキや漆喰をローラーやコテで塗る作業です。DIYの中でも人気があり、自分たちだけのオリジナルな風合いを出せます。
床板（フローリング）張り: 無垢材のフローリングなどを一枚一枚張っていく作業です。手間はかかりますが、達成感は大きいでしょう。
ウッドデッキの製作: 庭にウッドデッキを設置する作業も、DIYで人気のプロジェクトです。
建具の取り付けや造作家具の製作: ドアの取り付けや、簡単な棚、カウンターなどの製作も、腕に覚えがあれば挑戦できます。

これらの作業を自分たちで行うことで、数十万円から、場合によっては百万円以上のコスト削減につながる可能性があります。

その浮いた予算を、断熱材のグレードアップや、より良い設備の導入に回すことができるのです。

前述の「住宅キット」は、このセルフビルド・ハーフビルドと非常に相性が良いです。

構造部分がキット化されているため、専門的な知識が少なくても比較的安全に組み立てを進めることができます。

ただし、セルフビルドの道を選ぶには、相応の覚悟と準備が必要です。

まず、時間と体力、そして根気が必要不可欠です。

仕事や家事の合間を縫って作業を進めることになるため、完成までには長い期間がかかります。

また、慣れない作業による怪我のリスクも伴います。

さらに、建築基準法などの法的な知識もある程度は必要ですし、作業に必要な道具を一式揃える初期投資もかかります。

そして何より、セルフビルドをサポートしてくれる、あるいは理解のある工務店や設計者を見つけることが成功の鍵となります。

どこまでをプロに任せ、どこからを自分たちでやるのか、その責任範囲を明確にし、技術的なアドバイスをもらえるような協力体制を築くことが重要です。セルフビルドは、単なるコスト削減の手段ではなく、家づくりそのものを楽しむというライフスタイルの一環と捉えるべきでしょう。

その苦労と喜びを分かち合える家族や仲間がいれば、お金には代えがたい価値のある家が完成するはずです。

新築にこだわらず中古物件も視野に

「500万円で家を」と考えたとき、多くの人は新築の家をイメージするかもしれません。

しかし、発想を少し転換し、「中古物件」に目を向けることで、より豊かで現実的な選択肢が広がる可能性があります。

特に、500万円という予算は、中古物件の購入とリフォーム（またはリノベーション）の合計費用として考えると、非常に魅力的な金額帯になってきます。

地方や郊外に目を向ければ、数百万円で購入できる中古住宅は数多く存在します。

築年数が古かったり、小規模であったりしますが、建物の骨格である構造躯体がしっかりしていれば、内装や設備を一新することで、まるで新築のように快適な住まいに生まれ変わらせることが可能です。

例えば、300万円で中古の一戸建てを購入し、残りの200万円をリフォーム費用に充てるといった計画が考えられます。

このアプローチには、新築にはない多くのメリットがあります。

広さや立地の選択肢が広がる: 新築で500万円となると、かなり小さな家しか建てられませんが、中古であれば、同じ予算でより広い家を手に入れられる可能性が高いです。また、新築用の土地が少ない市街地などでも、中古物件なら見つかることがあります。
実際の建物を事前に確認できる: 新築は図面上でしか確認できませんが、中古物件なら、購入前に実際の建物の日当たりや風通し、周辺環境などを自分の目で確かめることができます。これは、住んでからの「こんなはずじゃなかった」という失敗を防ぐ上で大きな利点です。
自分たちの好みに合わせた空間づくり: リフォームやリノベーションでは、間取りの変更や内装のデザインを比較的自由に行えます。古い建物の梁や柱を活かした趣のある空間をつくるなど、新築にはない個性的な家づくりが楽しめます。

もちろん、中古物件を選ぶ際には注意点もあります。

最も重要なのは、建物の状態を正確に見極めることです。

特に、素人目には分かりにくい構造部分の劣化（シロアリ被害や雨漏り、基礎のひび割れなど）が進んでいると、修繕に莫大な費用がかかり、予算を大幅にオーバーしてしまう恐れがあります。

中古物件を購入する際は、必ず専門家（ホームインスペクターや建築士）に同行してもらい、建物の健康状態を診断してもらう「ホームインスペクション」を実施することをお勧めします。

また、古い物件は現在の耐震基準を満たしていないことも多いため、必要に応じて耐震補強工事を行うことも検討すべきです。

この補強工事にも費用がかかりますが、自治体によっては補助金制度が利用できる場合もあります。

新築という選択肢だけに固執せず、中古物件のリノベーションという視点を持つことで、「500万円」という予算の可能性は大きく広がります。

自分たちのライフスタイルや価値観と照らし合わせながら、最適な住まいの形を探してみてはいかがでしょうか。