築40年の一戸建てをリフォームする費用と完全ガイド

こんにちは、サイト管理人です

築40年の一戸建てをリフォームしようかお考えではありませんか。

長年住み慣れた愛着のある家も、築40年となると様々な箇所に老朽化が見られ、このまま住み続けても大丈夫だろうかと不安に感じる方も多いでしょう。

リフォームにはどのくらいの費用がかかるのか、建て替えと比較してどちらが良いのか、判断に迷うことも少なくありません。

また、耐震性や断熱性の問題、間取りの使いにくさなど、具体的な悩みも尽きないものです。

リフォームで後悔しないためには、メリットだけでなくデメリットもしっかりと理解し、計画的に進める必要があります。

この記事では、築40年の一戸建てをリフォームする際に知っておくべき費用相場から、建て替えとの比較、耐震補強や断熱工事の重要性、さらには活用できる補助金制度やリフォーム後の固定資産税に至るまで、あらゆる情報を網羅的に解説します。

外壁のメンテナンスやライフスタイルに合わせた間取りの変更など、具体的な工事内容にも触れながら、あなたの理想の住まいを実現するための道筋を示します。

◆このサイトでわかる事◆

築40年の一戸建てリフォームにかかる費用相場
リフォームと建て替えのメリット・デメリット比較
リフォームで後悔しないための重要なポイント
国や自治体から受けられる補助金制度の詳細
耐震補強や断熱工事といった専門的な工事内容
間取り変更や外壁メンテナンスの考え方
リフォーム後の固定資産税に関する知識

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築40年の一戸建てをリフォームする費用と注意点
築40年の一戸建てをリフォームで行う主な工事内容

築40年の一戸建てをリフォームする費用と注意点

◆この章のポイント◆

気になるリフォームの費用相場は？
建て替えとの違いを比較する
知っておきたいメリット・デメリット
後悔しないためのポイント
利用できる補助金制度を解説

気になるリフォームの費用相場は？

築40年の一戸建てをリフォームする際、最も気になるのが費用相場ではないでしょうか。

リフォーム費用は、工事の規模や内容、使用する建材のグレードによって大きく変動するため、一概にいくらとは言えません。

しかし、おおよその目安を知っておくことで、資金計画を立てやすくなります。

ここでは、リフォームの規模別に費用相場を解説します。

部分的なリフォームの費用相場

水回りや内装など、部分的にリフォームを行う場合の費用相場は、比較的抑えることができます。

例えば、キッチンや浴室、トイレといった水回りの設備交換は、それぞれ50万円から150万円程度が目安です。

内装工事では、壁紙の張り替えや床材の変更などが中心となり、リビングダイニングキッチン（LDK）で50万円から100万円程度を見込んでおくと良いでしょう。

外壁塗装や屋根の葺き替えといった外装リフォームは、家の大きさや劣化状況にもよりますが、それぞれ100万円から200万円程度が一般的な相場です。

これらの部分的なリフォームを組み合わせることで、必要な箇所だけを効率的に改修することが可能です。

家全体（フルリフォーム）の費用相場

間取りの変更を伴うような大規模なリフォーム、いわゆるフルリフォームやスケルトンリフォームを行う場合、費用は大きく上がります。

スケルトンリフォームとは、建物の構造躯体（柱や梁、基礎）だけを残して内外装をすべて解体し、新築同様に作り変える工事です。

この場合の費用相場は、延床面積30坪（約100平方メートル）の家で、1,000万円から2,000万円以上かかることも珍しくありません。

特に、耐震補強や断熱工事、大幅な間取り変更、設備のグレードアップなどを行うと費用は高くなる傾向にあります。

ただし、建て替えに比べれば費用を抑えられるケースが多いため、建物の状態を見極めた上で検討することが重要です。

費用を左右する要因

リフォーム費用は、以下のような要因によって変動します。

工事の範囲：リフォームする箇所が多ければ多いほど費用は高くなります。
設備のグレード：キッチンやユニットバスなどの設備は、グレードによって価格が大きく異なります。
建材の品質：使用する床材や壁材、断熱材などの品質も費用に影響します。
建物の劣化状況：シロアリ被害や雨漏り、基礎のひび割れなど、想定外の補修が必要になると追加費用が発生します。
解体費用：アスベストが含まれている建材を使用している場合、除去費用が別途必要になることがあります。

正確な費用を知るためには、複数のリフォーム会社から見積もりを取り、内容を比較検討することが不可欠です。

その際には、費用の安さだけでなく、工事内容や保証、担当者の対応なども含めて総合的に判断するようにしましょう。

建て替えとの違いを比較する

築40年の一戸建てを前にしたとき、リフォームか建て替えかで悩むのは自然なことです。

どちらにもメリットとデメリットがあり、一概にどちらが良いとは言えません。

ご自身の状況や家の状態、将来のライフプランなどを総合的に考慮して、最適な選択をすることが大切です。

ここでは、費用、工期、設計の自由度、税金の4つの観点からリフォームと建て替えを比較してみましょう。

費用面での比較

一般的に、リフォームの方が建て替えよりも費用を抑えられる傾向にあります。

建て替えの場合、既存の建物の解体費用や地盤調査費、新しい建物の建築費、登記費用など、多岐にわたる費用が発生します。

総額で2,000万円以上かかることも少なくありません。

一方、リフォームは既存の基礎や柱などを活かすため、解体費用や建築費を大幅に削減できます。

ただし、建物の劣化が激しく、大規模な補修や耐震補強が必要な場合は、リフォーム費用が建て替え費用に近づく、あるいは上回るケースもあるため注意が必要です。

特にスケルトンリフォームの場合、新築同様の性能を求めると費用は高額になります。

工期面での比較

工期に関しても、リフォームの方が短いのが一般的です。

部分的なリフォームであれば数週間から数ヶ月で完了しますが、フルリフォームでも3ヶ月から6ヶ月程度で済むことが多いです。

建て替えの場合は、解体工事から始まり、設計、建築確認申請、基礎工事、上棟、内装工事と多くの工程を経るため、最低でも6ヶ月、長い場合は1年以上かかることもあります。

工事中の仮住まいの期間や費用も考慮に入れると、工期が短いことは大きなメリットと言えるでしょう。

設計の自由度と法規制

設計の自由度という点では、建て替えに軍配が上がります。

建て替えはゼロから設計できるため、間取りやデザイン、設備の配置などを完全に自由に決めることができます。

リフォームの場合は、既存の柱や壁、基礎といった構造上の制約があるため、間取り変更には限界があります。

しかし、注意すべきは法規制です。

建築基準法は年々改正されており、現在の法律では建て替え前と同じ規模の家を建てられない「再建築不可物件」である可能性があります。

この場合、建て替えはできず、リフォームしか選択肢がありません。

リフォームであれば、既存の建物を活かすため、このような法規制の影響を受けにくいというメリットがあります。

税金面での比較

税金面では、リフォームが有利になるケースが多いです。

建て替えで新しい家を建てると、不動産取得税や登録免許税、そして毎年の固定資産税が高くなる可能性があります。

リフォームの場合、不動産取得税はかからず、固定資産税も大幅に上がることは稀です。

さらに、耐震リフォームや省エネリフォームなど、一定の要件を満たす工事を行うと、所得税の控除や固定資産税の減額といった税制優遇を受けられる場合があります。

これらの制度をうまく活用することで、実質的な負担を軽減することができます。

以下の表に、リフォームと建て替えの比較をまとめます。

項目	リフォーム	建て替え
費用	比較的安い傾向（500〜1,500万円）	高い傾向（2,000万円〜）
工期	比較的短い（3〜6ヶ月）	長い（6ヶ月〜1年）
設計の自由度	制約あり	高い
法規制	影響を受けにくい	現行法が適用（再建築不可の可能性あり）
税金	優遇措置あり、固定資産税の変動少ない	各種税金が高くなる可能性あり

知っておきたいメリット・デメリット

築40年の一戸建てをリフォームすることには、多くのメリットがある一方で、見過ごせないデメリットも存在します。

計画を立てる前に、両方の側面を正しく理解し、ご自身の状況と照らし合わせて検討することが、後悔のないリフォームにつながります。

リフォームのメリット

まず、リフォームのメリットから見ていきましょう。

費用を抑えられる：前述の通り、一般的に建て替えよりも費用を安く抑えることができます。既存の構造を活かすことで、解体費用や基礎工事費を節約できるのが大きな理由です。
工期が短い：建て替えに比べて工事期間が短く、仮住まいの負担を軽減できます。住みながら工事を進められるケースもあります。
愛着のある家を残せる：長年住んできた家の面影や思い出を残しつつ、快適な住環境を手に入れることができます。特に、家族の歴史が刻まれた柱や梁を活かしたデザインは、リフォームならではの魅力です。
税金の優遇：建て替えに比べて固定資産税の大幅な増加を避けられます。また、耐震や省エネなどの特定の工事には減税制度が適用されることもメリットです。

これらのメリットは、特に予算や時間に制約がある場合や、現在の住まいに強い愛着を持っている場合に大きな魅力となるでしょう。

リフォームのデメリット

次に、デメリットについてもしっかりと把握しておく必要があります。

デメリットを理解しないまま進めると、「こんなはずではなかった」という後悔につながりかねません。

設計の自由度が低い：既存の構造に制約されるため、間取り変更の自由度は建て替えに劣ります。希望の間取りが実現できない可能性も考慮しておく必要があります。
隠れた劣化による追加費用：解体してみて初めて、柱の腐食やシロアリ被害、雨漏りといった構造躯体の深刻な劣化が発覚することがあります。その場合、想定外の補修費用が発生し、総額が予算をオーバーするリスクがあります。
耐震性に限界がある場合も：最新の耐震基準を満たすための補強工事は可能ですが、地盤や基礎の状態によっては、建て替えほどの高い耐震性を確保するのが難しいケースもあります。
断熱・気密性能の限界：壁や床下の断熱工事は可能ですが、構造上の制約から隙間が残りやすく、最新の新築住宅と同等の高い断熱・気密性能を実現するのは難しい場合があります。

特に、見えない部分の劣化は築40年の住宅では大きなリスクとなります。

信頼できる業者に事前のインスペクション（住宅診断）を依頼し、建物の状態を正確に把握することが非常に重要です。

その診断結果をもとに、リフォームで対応可能か、あるいは建て替えを選択すべきかを冷静に判断することが求められます。

後悔しないためのポイント

築40年の一戸建てをリフォームして、「やってよかった」と心から満足するためには、いくつか押さえておくべき重要なポイントがあります。

これらを知らずに進めてしまうと、費用がかさんだり、完成後の住み心地に不満が残ったりと、後悔につながる可能性があります。

ここでは、失敗を防ぎ、理想の住まいを実現するための5つのポイントを解説します。

1. リフォームの目的と優先順位を明確にする

まず最初に、「なぜリフォームしたいのか」「リフォームで何を実現したいのか」という目的を家族全員で話し合い、明確にすることが大切です。

「老朽化した水回りを新しくしたい」「地震に備えて耐震性を高めたい」「冬の寒さを解消するために断熱性能を上げたい」「子供の独立に合わせて間取りを変更したい」など、具体的な目的をリストアップしましょう。

その上で、予算には限りがあるため、すべての要望を叶えるのは難しいかもしれません。

リストアップした項目に優先順位をつけ、「これだけは絶対に譲れない」という点を決めておくことが、計画をスムーズに進める鍵となります。

2. 事前に住宅診断（インスペクション）を行う

築40年の住宅では、目に見えない部分で構造躯体の劣化やシロアリ被害、雨漏りなどが進行している可能性があります。

工事が始まってから問題が発覚すると、予期せぬ追加費用や工期の延長につながります。

こうしたリスクを避けるため、契約前に専門家による住宅診断（ホームインスペクション）を実施し、家の状態を正確に把握しておくことを強く推奨します。

診断結果をもとに、必要な補修工事をリフォーム計画に盛り込むことで、安心して工事を進めることができます。

3. 資金計画は余裕を持つ

リフォーム費用は、見積もり金額だけで考えないことが重要です。

前述の通り、解体後に見つかる不具合の補修などで、追加費用が発生する可能性は常にあります。

そのため、見積もり金額の10%～20%程度を予備費として確保しておくなど、資金計画には余裕を持たせておきましょう。

また、リフォームローンを利用する場合は、金利や返済期間をよく比較検討し、無理のない返済計画を立てることが不可欠です。

4. 信頼できるリフォーム会社を選ぶ

リフォームの成功は、パートナーとなるリフォーム会社選びにかかっていると言っても過言ではありません。

複数の会社から相見積もりを取るのは基本ですが、単に金額の安さだけで選ぶのは危険です。

以下の点をチェックして、信頼できる会社を見極めましょう。

こちらの要望を親身に聞いて、専門的な提案をしてくれるか
築年数の古い家のリフォーム実績が豊富か
見積書の内訳が詳細で、不明な点について丁寧に説明してくれるか
担当者とのコミュニケーションがスムーズか
アフターサービスや保証制度が充実しているか

実際にその会社が施工した事例を見せてもらうのも良い方法です。

5. 将来のライフプランを見据える

今回のリフォームで、あと何年その家に住む予定なのか、将来のライフスタイルの変化も考慮に入れて計画を立てましょう。

例えば、今は必要なくても、将来のために手すりを設置できる下地を入れておいたり、車椅子でも通りやすいように廊下の幅を広くしておいたりするなど、バリアフリーを意識した設計を取り入れるのも一つの考え方です。

長期的な視点でリフォームを考えることが、将来にわたって快適に暮らし続けるためのポイントになります。

利用できる補助金制度を解説

築40年の一戸建てをリフォームする際には、国や地方自治体が設けている補助金や助成金制度を活用できる場合があります。

これらの制度をうまく利用すれば、リフォームにかかる費用負担を大幅に軽減することが可能です。

ただし、制度にはそれぞれ要件や申請期間があるため、事前の情報収集が欠かせません。

ここでは、代表的な補助金制度について解説します。

耐震リフォームに関する補助金

築40年の一戸建ては、現在の耐震基準を満たしていない旧耐震基準（1981年5月31日以前）で建てられている可能性が高いです。

地震への備えとして耐震リフォームは非常に重要であり、多くの自治体がその費用の一部を補助する制度を設けています。

補助の対象となるのは、主に以下の工事です。

耐震診断：専門家が建物の耐震性能を調査する費用
耐震改修設計：診断結果に基づき、補強計画を設計する費用
耐震改修工事：壁の補強、基礎の補修、金物の設置など、実際の補強工事にかかる費用

補助金額や要件は自治体によって異なりますが、数十万円から100万円以上の補助を受けられるケースもあります。

まずはお住まいの市区町村の役所に問い合わせてみましょう。

省エネリフォームに関する補助金

断熱性能の向上や高効率な設備の導入など、住宅の省エネルギー化を目的としたリフォームにも補助金制度があります。

これにより、快適な室内環境を実現しつつ、光熱費の削減にもつながります。

国の代表的な制度としては、「子育てエコホーム支援事業」などがあります（制度名は年度によって変わることがあります）。

対象となる工事例は以下の通りです。

開口部（窓・ドア）の断熱改修
外壁、屋根・天井、床の断熱改修
エコ住宅設備の設置（高断熱浴槽、高効率給湯器など）

これらの工事を組み合わせることで、補助金額が加算される仕組みになっていることが多いです。

介護・バリアフリーリフォームに関する補助金

将来を見据えて、手すりの設置や段差の解消、廊下幅の拡張といったバリアフリーリフォームを行う場合、介護保険制度を活用できる可能性があります。

要支援・要介護認定を受けている方が対象で、住宅改修費用のうち最大20万円まで、その9割（所得に応じて8割または7割）が支給されます。

また、自治体によっては独自の高齢者向け住宅リフォーム助成制度を設けている場合もあります。

補助金制度利用の注意点

補助金を利用する際には、いくつか注意すべき点があります。

申請は工事着工前に行うのが原則です。工事が始まってからでは申請できないことがほとんどなので、必ず事前に手続きを確認しましょう。
予算の上限に達し次第、受付が終了することがあります。リフォームを決めたら早めに情報収集と準備を始めることが大切です。
制度ごとに、対象となる工事の仕様や業者の要件が定められています。リフォーム会社に補助金制度を利用したい旨を伝え、対応可能か確認しましょう。

これらの制度は複雑な場合もあるため、リフォーム会社の担当者や自治体の窓口によく相談しながら進めることをお勧めします。

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築40年の一戸建てをリフォームで行う主な工事内容

◆この章のポイント◆

安全な暮らしのための耐震補強
快適性を高める断熱工事とは
ライフスタイルに合わせた間取り変更
家の印象を決める外壁のメンテナンス
リフォーム後の固定資産税はどうなる？

安全な暮らしのための耐震補強

日本は地震大国であり、住宅の耐震性は命を守る上で最も重要な性能の一つです。

特に築40年の一戸建ての場合、1981年に改正された新耐震基準を満たしていない可能性が高く、大地震が発生した際に倒壊するリスクを抱えています。

そのため、リフォームを機に耐震補強を行うことは、安心して暮らし続けるために不可欠な投資と言えるでしょう。

耐震診断の重要性

まず、耐震補強工事を行う前に、専門家による「耐震診断」を受ける必要があります。

耐震診断では、建物の基礎や壁の配置、筋かいの有無、接合部の状態、部材の劣化状況などを詳細に調査し、現在の耐震性能を数値で評価します。

この診断結果に基づいて、どこにどのような補強が必要なのかを具体的に計画していきます。

多くの自治体で耐震診断の費用補助制度があるので、積極的に活用しましょう。

主な耐震補強工事の内容

耐震補強工事は、診断結果に基づいて建物の弱い部分を強化するものです。

具体的な工事内容は多岐にわたりますが、代表的なものをいくつかご紹介します。

壁の補強：既存の壁に筋かいを入れたり、構造用合板を張ったりして、地震の横揺れに耐える「耐力壁」を増やし、バランス良く配置します。
接合部の補強：地震の際には、柱が土台から引き抜かれたり、梁が外れたりするのを防ぐため、柱と土台、柱と梁などを専用の金物でしっかりと固定します。
基礎の補強：基礎にひび割れがある場合は、樹脂を注入するなどして補修します。無筋コンクリートの基礎の場合は、鉄筋コンクリートで補強することもあります。
屋根の軽量化：重い瓦屋根を、金属屋根などの軽い素材に葺き替える工事です。建物の重心が下がり、地震の揺れを小さくする効果があります。

これらの工事を適切に組み合わせることで、建物の耐震性を大きく向上させることができます。

耐震補強の費用

耐震補強にかかる費用は、建物の規模や劣化状況、補強内容によって大きく異なりますが、一般的には100万円から200万円程度が目安とされています。

費用は決して安くありませんが、命と財産を守るための重要な投資です。

前述の通り、国や自治体の補助金制度を活用することで、費用負担を軽減することが可能です。

リフォーム会社とよく相談し、補助金制度を最大限に活用しながら、適切な耐震補強を行いましょう。

快適性を高める断熱工事とは

「夏は暑く、冬は寒い」というのは、築40年の住宅によくある悩みのひとつです。

その主な原因は、壁や床、天井に断熱材が入っていなかったり、入っていても性能が低かったり、あるいは窓が単層ガラスであることなどが挙げられます。

断熱工事を行うことで、家の断熱性・気密性を高め、一年を通して快適な室内環境を実現することができます。

断熱工事のメリット

断熱性能が向上すると、多くのメリットが生まれます。

快適な室温の維持：外気の影響を受けにくくなるため、夏は涼しく、冬は暖かい室温を保ちやすくなります。
光熱費の削減：冷暖房の効率が上がり、少ないエネルギーで快適な室温を維持できるため、電気代やガス代などの光熱費を削減できます。
結露の抑制：壁の内部や窓の結露を防ぎ、カビやダニの発生を抑制します。これにより、アレルギーなどの健康リスクを低減し、建物の寿命を延ばすことにもつながります。
ヒートショックの予防：冬場の急激な温度変化によって起こるヒートショックのリスクを軽減できます。部屋ごとの温度差が少なくなるため、特に高齢者にとっては安全な住環境となります。

主な断熱工事の内容

断熱工事には、家全体を対象とするものから部分的なものまで、様々な方法があります。

スケルトンリフォームを行う場合は、壁や床を一度解体するため、高性能な断熱材を隙間なく充填することが可能です。

部分的なリフォームの場合は、以下のような工事が一般的です。

特に効果が高いのが、熱の出入りが最も大きい窓の断熱です。

壁の断熱：既存の壁の内側や外側に断熱材を施工します。内側から行う場合は、壁を剥がす必要がありますが、外側から行う外張り断熱なら住みながらの工事も可能です。
床下の断熱：床下に断熱材を敷き詰めることで、冬場の底冷えを解消します。
天井・屋根の断熱：天井裏に断熱材を敷き詰めたり、屋根の直下に施工したりします。夏の厳しい日差しによる室温上昇を抑えるのに効果的です。
窓の断熱：既存の窓の内側にもう一つ窓を設置する「内窓（二重窓）」の設置や、単層ガラスを複層ガラス（ペアガラス）に交換する方法があります。

断熱工事も省エネリフォームとして補助金の対象となることが多いので、制度をうまく活用して、費用を抑えながら快適な住まいを手に入れましょう。

ライフスタイルに合わせた間取り変更

家を建てた40年前と現在とでは、家族構成やライフスタイルが大きく変化していることでしょう。

「子供が独立して使わなくなった部屋がある」「リビングが狭くて家族がくつろげない」「家事動線が悪く、日々の家事が負担」といった悩みは、間取りを変更することで解決できるかもしれません。

リフォームは、現在の暮らしに合わせて、より機能的で快適な住空間を作り出す絶好の機会です。

間取り変更で実現できること

間取り変更リフォームには、様々な可能性があります。

以下に代表的な例を挙げます。

リビング・ダイニング・キッチンの拡張：細かく仕切られた部屋の壁を取り払い、広々としたLDKを作ることで、家族が集まる開放的な空間が生まれます。対面キッチンにすれば、料理をしながら家族との会話も楽しめます。
和室を洋室に変更：使わなくなった和室を洋室に変更し、書斎や趣味の部屋、あるいはリビングと一体化させて広く使うといった活用ができます。
家事動線の改善：キッチンと洗面所、物干しスペースを近づけるなど、家事の動線を短くシンプルにすることで、日々の負担を軽減できます。パントリー（食品庫）を設けるのも人気です。
収納スペースの確保：ウォークインクローゼットやシューズクロークなど、 large-capacityな収納を設けることで、家全体がすっきりと片付きます。

間取り変更の注意点

希望の間取りを実現するためには、いくつか注意すべき点があります。

最も重要なのは、建物の構造上の制約です。

特に、在来工法（木造軸組工法）の場合、取り払えない「耐力壁」や「柱」が存在します。

どの壁や柱が構造的に重要なのかを専門家に見極めてもらい、可能な範囲で最適なプランを考える必要があります。

無理に壁を撤去すると、家の耐震性が著しく低下してしまうため、絶対に避けなければなりません。

間取り変更と合わせて耐震補強を行うことで、デザイン性と安全性を両立させることが可能です。

また、壁を撤去したり移動したりする工事は、内装工事だけでなく、電気配線や照明の移設なども伴うため、費用は高額になりがちです。

リフォーム会社と十分に打ち合わせを重ね、予算内でどこまでの変更が可能か、優先順位をつけながら計画を進めていきましょう。

家の印象を決める外壁のメンテナンス

外壁は、家の美観を保つだけでなく、雨や風、紫外線から建物を守るという重要な役割を担っています。

築40年ともなると、外壁にはひび割れ（クラック）や塗装の剥がれ、コケやカビの発生といった様々な劣化症状が現れているはずです。

これらの症状を放置すると、建物の構造内部にまで雨水が浸入し、雨漏りや柱の腐食、シロアリの発生といった深刻な問題を引き起こす原因となります。

外壁メンテナンスの主な方法

外壁のメンテナンス方法には、主に「塗装」「カバー工法（重ね張り）」「張り替え」の3種類があります。

どの方法を選択するかは、外壁材の種類や劣化の程度、予算によって決まります。

外壁塗装：最も一般的なメンテナンス方法です。高圧洗浄で汚れを落とし、下地処理を行った上で、新しい塗料を塗ります。外観を美しくするだけでなく、塗膜が防水の役割を果たし、外壁材を保護します。使用する塗料のグレードによって、耐久年数や費用が異なります。
カバー工法（重ね張り）：既存の外壁の上に、新しい外壁材（主に軽量な金属サイディングなど）を重ねて張る方法です。解体費用がかからず、工期も比較的短いのがメリットです。断熱材一体型のサイディングを選べば、外壁のメンテナンスと同時に断熱性能を向上させることもできます。
張り替え：既存の外壁材をすべて撤去し、新しい外壁材に張り替える方法です。費用と工期は最もかかりますが、外壁の下地である防水シートや構造材の状態を確認し、必要であれば補修できるという大きなメリットがあります。内部の劣化が疑われる場合には最適な選択肢です。