こんにちは、サイト管理人です
近年、集中豪雨や台風による水害が全国各地で頻発しており、他人事とは言えない状況になっています。
大切なマイホームが浸水被害に遭う前に、しっかりとした備えをしておきたいと考えるのは当然のことでしょう。
浸水対策のリフォームを検討しているものの、具体的にどのような種類があり、費用はどのくらいかかるのか、また、利用できる補助金はあるのかなど、多くの疑問や不安を抱えているのではないでしょうか。
浸水被害の原因は様々であり、それぞれの状況に合わせた適切な対策を講じることが重要です。
自分でできる簡易的な対策から、専門業者に依頼する本格的な工事まで、その選択肢は多岐にわたります。
例えば、土のうや防水板の設置は比較的安価で導入しやすい対策ですが、外壁の補修や窓、玄関のリフォームとなると、それなりの費用と専門的な知識が必要になります。
さらに、万が一の事態に備えて、火災保険に水災補償が付いているかの確認も欠かせません。
この記事では、そうした浸水対策のリフォームに関するあらゆる情報を網羅し、あなたの家を水害から守るための具体的な方法を詳しく解説していきます。
◆このサイトでわかる事◆
- 浸水被害の主な原因
- 玄関や窓など場所別の具体的な浸水対策
- 自分でできる応急的な浸水対策の方法
- 浸水対策リフォームの主な種類と特徴
- 対策ごとの詳しい費用相場
- 国や自治体が提供する補助金制度
- 水災保険の重要性と補償内容

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浸水対策のリフォームで家を守る具体的な方法

◆この章のポイント◆
- 浸水の原因を知ることが対策の第一歩
- 家の玄関を守る防水板の設置
- 窓からの水の侵入を防ぐ対策とは
- 外壁の劣化を見逃さない重要性
- DIYでできる土のうの活用法
浸水の原因を知ることが対策の第一歩
大切な家を水害から守るためには、まず浸水がなぜ起こるのか、その原因を正しく理解することが不可欠です。
浸水の原因は、大きく分けて「外水氾濫」と「内水氾濫」の2種類に分類されます。
それぞれのメカニズムを知ることで、ご自身の住む地域のリスクを把握し、より効果的な対策を立てることができるようになるでしょう。
外水氾濫とは
外水氾濫は、大きな河川の水が堤防を越えて溢れ出したり、堤防そのものが決壊したりすることによって、広範囲にわたって洪水が発生する現象です。
台風や長時間の豪雨によって河川の流量が急激に増加し、許容量を超えてしまうことが主な引き金となります。
特に、川沿いの低い土地や、過去に河川だった場所を宅地化したような地域では、外水氾濫のリスクが高まる傾向にあります。
このタイプの浸水は、一度発生すると水の流れが速く、水位も高くなることが多いため、建物の倒壊や流失といった甚大な被害につながる危険性をはらんでいます。
対策としては、自治体が作成しているハザードマップを確認し、自宅が浸水想定区域に含まれているかを把握しておくことが第一歩です。
その上で、建物の基礎を高くしたり、電気設備を2階以上に設置したりするなど、大規模な浸水に備えるリフォームが求められます。
内水氾濫とは
一方で内水氾濫は、市街地に降った雨が、下水道や排水路の処理能力を超えてしまい、マンホールや側溝から水が溢れ出す現象を指します。
近年多発している「ゲリラ豪雨」のように、短時間で局地的に大量の雨が降ると、都市部の排水システムが追いつかずに発生しやすくなります。
特に、アスファルトやコンクリートで覆われた土地が多い都市部では、雨水が地面に浸透しにくいため、内水氾濫のリスクがより高まります。
外水氾濫に比べると浸水深は浅いことが多いですが、床下浸水や床上浸水を引き起こし、家財や建材に深刻なダメージを与えることがあります。
また、道路が冠水することで、自動車の立ち往生や避難の遅れにつながる危険性も考えられます。
内水氾濫への対策としては、玄関への防水板の設置や、水の侵入経路となりやすい排水口に逆流防止弁を取り付けるといった方法が有効です。
このように、浸水の原因によって取るべき対策は異なります。
まずはハザードマップで地域のリスクを確認し、自分の家がどちらの氾濫による影響を受けやすいのかを把握した上で、最適な浸水対策のリフォームを計画することが重要と言えるでしょう。
家の玄関を守る防水板の設置
住宅への浸水で最も多い侵入経路の一つが、玄関ドアです。
道路が冠水し始めると、玄関ドアのわずかな隙間からでも水は容赦なく入り込んできます。
そこで非常に有効な対策となるのが「防水板(止水板)」の設置です。
防水板は、玄関の間口に設置することで、水の侵入を物理的に防ぐための設備で、比較的簡単に設置できるものから、本格的な工事を伴うものまで様々な種類があります。
防水板の種類と特徴
防水板は、設置方法や素材によっていくつかのタイプに分けられます。
それぞれの特徴を理解し、ご自宅の状況や予算に合わせて選ぶことが大切です。
- 脱着式(簡易タイプ): これは最も手軽なタイプで、普段は収納しておき、浸水の危険が迫った際に自分で取り出して設置します。軽量なアルミ製や樹脂製のものが多く、工具不要で簡単に設置できるのがメリットです。ただし、いざという時に迅速に設置できるよう、日頃から設置場所や手順を確認しておく必要があります。
- 固定式(埋設タイプ): 地面や壁にあらかじめ設置しておき、必要に応じて引き上げたり、蓋を開けたりして使用するタイプです。手動式のほか、電動で素早く立ち上がるものもあります。脱着式に比べて止水性能が高く、急な水位上昇にも対応しやすいですが、設置には専門的な工事が必要で、費用も高額になる傾向があります。
- スイング式(開き戸タイプ): 普段はフェンスや門扉の一部として機能し、浸水時には扉のように閉じることで防水壁となるタイプです。デザイン性に優れており、住宅の外観を損ないにくいのが特徴です。こちらも設置には工事が必要となります。
設置費用と注意点
防水板の設置費用は、種類やサイズ、工事の有無によって大きく異なります。
簡易的な脱着式であれば、数万円から20万円程度が目安となります。
一方で、地面にレールを埋め込むような固定式やスイング式の場合は、工事費込みで50万円から100万円以上かかることも珍しくありません。
設置を検討する際の注意点として、まずご自宅の玄関の形状や材質を確認することが挙げられます。
特に、引き戸の場合は隙間が多く、防水板を設置しても完全に浸水を防ぐのが難しいケースもあります。
また、防水板の高さも重要なポイントです。
自治体のハザードマップで想定されている浸水深を参考に、十分な高さのある製品を選ぶようにしましょう。
信頼できるリフォーム会社や専門業者に相談し、現地調査をしてもらった上で、最適な製品と工法を提案してもらうことが、失敗しないための鍵となります。
玄関は家の顔であると同時に、浸水対策の最前線でもあります。
防水板の設置は、家と家族の安全を守るための非常に効果的な投資と言えるでしょう。
窓からの水の侵入を防ぐ対策とは
玄関と並んで、窓もまた水の侵入経路となりやすい脆弱な箇所です。
特に、掃き出し窓や地面に近い位置にある窓は、道路が少し冠水しただけでも浸水のリスクにさらされます。
また、強風を伴う豪雨の場合、雨水がサッシの隙間から吹き込んだり、飛来物によってガラスが割れてしまったりする危険性も考えなくてはなりません。
窓の浸水対策を考える際には、水位の上昇に対する備えと、暴風雨に対する備えの両面からアプローチすることが重要になります。
防水シャッターや防水性の高い窓への交換
本格的な窓の浸水対策として最も効果的なのが、防水シャッターの設置や、防水性能・水密性能の高い窓へのリフォームです。
防水シャッターは、通常の雨戸やシャッターとは異なり、レール部分に止水ゴムが施されているなど、水の侵入を強力に防ぐ構造になっています。
電動で開閉できるタイプを選べば、急な天候悪化の際にも室内から安全に操作することが可能です。
また、窓そのものを交換するリフォームも有効な手段です。
現在の住宅用サッシは水密性が非常に高くなっており、JIS規格で定められた等級(W-1からW-5まで)が性能の目安となります。
数字が大きいほど高い水密性を誇るため、浸水リスクの高い地域の住宅では、W-4やW-5等級のサッシを選ぶと安心感が高まるでしょう。
これらのリフォームは、専門的な工事が必要となり、費用も一箇所あたり数十万円からと高額になりますが、その分、非常に高い浸水防止効果が期待できます。
自分でできる応急的な対策
本格的なリフォームが難しい場合でも、自分でできる応急的な対策はいくつかあります。
浸水の危険が迫っている緊急時には、これらの方法を組み合わせて被害を最小限に食い止めましょう。
- 防水テープの活用: ホームセンターなどで入手できる防水テープを、窓枠やサッシの隙間に貼り付けることで、水の侵入をある程度防ぐことができます。粘着力が強く、屋外での使用に適した製品を選びましょう。
- 土のうや水のうの設置: 窓の外側に、土のうや、ゴミ袋に水を入れた「水のう」を隙間なく積み上げることで、簡易的な防水壁を作ることができます。窓ガラスが直接水圧で押されるのを防ぐ効果もあります。
- 飛散防止フィルムの貼り付け: 台風時など、強風によって物が飛んでくる危険性がある場合は、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼っておくと安心です。万が一ガラスが割れても、破片が飛び散るのを防ぎ、怪我のリスクを低減できます。
ただし、これらの方法はあくまで一時的な応急処置です。
根本的な解決にはならず、激しい浸水に対しては効果が限定的であると理解しておく必要があります。
長期的な安心を得るためには、ハザードマップなどを参考に自宅のリスクを正しく評価し、必要に応じて専門家と相談の上、計画的なリフォームを検討することが最善の策と言えるでしょう。
外壁の劣化を見逃さない重要性
浸水対策というと、玄関や窓といった開口部に意識が向きがちですが、実は「外壁」の状態も家の防水性能に大きく関わっています。
外壁は、日々雨風や紫外線にさらされ続けており、経年とともに少しずつ劣化が進行していく部分です。
この劣化を放置してしまうと、思わぬところから浸水を引き起こす原因となりかねません。
普段あまり気にすることのない外壁ですが、定期的なチェックとメンテナンスが、家全体の浸水リスクを低減させる上で非常に重要になります。
ひび割れ(クラック)からの浸水リスク
外壁の劣化で最も注意すべきなのが、「ひび割れ(クラック)」です。
モルタルやサイディングといった外壁材の表面に発生する髪の毛ほどの細いひび割れ(ヘアークラック)であっても、放置すれば雨水が内部に浸透する経路となります。
ひび割れから侵入した水分は、壁の内部にある防水シートや断熱材を劣化させ、さらには建物の構造体である柱や梁を腐食させる原因にもなり得ます。
そして、豪雨時にはこれらのひび割れが直接的な浸水口となり、壁内部から室内への漏水を引き起こす可能性があるのです。
特に、サッシ周りや配管の貫通部などは、シーリング(コーキング)材が劣化してひび割れが生じやすい箇所なので、重点的にチェックする必要があります。
0.3mm以上の幅があるひび割れは、構造的な問題が隠れている可能性もあるため、早急に専門家による診断を受けることをお勧めします。
防水塗装や外壁材の張り替えによる対策
外壁の防水性能を回復・向上させるためのリフォームとして、最も一般的なのが「防水塗装」です。
これは、既存の外壁の上に、防水効果の高い塗料を塗り重ねる工法です。
塗料には、ウレタン系、シリコン系、フッ素系など様々な種類があり、それぞれ耐久性や価格が異なります。
弾性塗料と呼ばれる、ゴムのように伸縮する性質を持った塗料を選べば、建物の揺れに追従して新たなひび割れの発生を防ぐ効果も期待できます。
外壁塗装の費用は、建物の大きさや使用する塗料によって変動しますが、一般的な戸建て住宅で80万円から150万円程度が相場となります。
外壁の劣化が著しい場合や、デザインを一新したい場合には、「外壁の張り替え」や「カバー工法(重ね張り)」といった選択肢もあります。
張り替えは、既存の壁材を一度すべて撤去し、新しいものに交換する方法です。
壁の内部構造までチェック・補修できるという大きなメリットがありますが、費用は高額になります。
カバー工法は、既存の壁材の上から新しい壁材を重ねて張る方法で、廃材が出ない分、張り替えよりもコストを抑えることが可能です。
いずれの工法を選ぶにせよ、外壁のメンテナンスは10年から15年に一度が目安とされています。
浸水対策という観点からも、定期的な点検と計画的なリフォームを心がけることが、長く安心して住み続けられる家を維持するための秘訣です。
DIYでできる土のうの活用法
本格的な浸水対策のリフォームには時間も費用もかかりますが、差し迫った水害の危機に対して、自分自身でできる応急処置も存在します。
その代表格が、古くから治水対策に用いられてきた「土のう」です。
土のうは、ホームセンターや役所で入手できる麻やポリエチレン製の袋に土砂を詰めたもので、正しく設置すれば水の侵入を効果的に遅らせることができます。
ここでは、いざという時に役立つ土のうの作り方と、効果的な積み方について解説します。
土のうの作り方と必要なもの
まず、土のう作りに必要なものを準備しましょう。
- 土のう袋: ホームセンターなどで購入できます。耐久性の高いポリエチレン製が一般的です。自治体によっては無料で配布している場合もあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
- 土砂: 庭の土や砂場の砂などを利用します。粘土質の土は水を含むと重くなりすぎるため、砂質の土が適しています。土が手に入らない場合は、プランターの土でも代用可能です。
- スコップ: 土を袋に詰める際に使用します。
土のうを作る際の一番のポイントは、袋に土を詰め込みすぎないことです。
パンパンに詰めてしまうと、積み上げた際に袋同士の間に隙間ができてしまい、そこから水が漏れ出してしまいます。
袋の6割から7割程度を目安に土を詰め、口を紐でしっかりと結びます。
この時、結び目の反対側を平らに整えておくと、積み上げた時に安定しやすくなります。
一人で作るよりも、一人が袋の口を広げ、もう一人が土を入れる、というように二人一組で作業すると効率的です。
効果的な土のうの積み方
土のうの効果は、その積み方によって大きく左右されます。
浸水を防ぎたい玄関や車庫の前に、水の流れに対して平行になるように、隙間なく並べていくのが基本です。
- 1段目の積み方: 土のうの口を結んだ方を家側(内側)に向け、一列に並べます。土のう同士が密着するように、足で踏み固めながら積んでいきます。
- 2段目以降の積み方: 2段目は、1段目の土のうと土のうの継ぎ目の真上にくるように、レンガを積む要領で互い違いに積んでいきます。これにより、全体の強度が増し、水圧に耐えやすくなります。
- 防水シートの活用: 土のうを積む前に、地面から土のう全体を覆うようにブルーシートなどの防水シートを敷いておくと、さらに止水効果が高まります。シートの端は、一番上の土のうで押さえるようにします。
土のうはあくまで応急処置であり、完全に水の侵入を防げるわけではありません。
しかし、浸水の開始を遅らせ、避難する時間を稼いだり、床上浸水を床下浸水で食い止めたりする上で、非常に有効な手段です。
また、最近では水に浸すだけで膨らむ「吸水性土のう」という便利な製品もあります。
これは土が不要で、軽量なため保管場所に困らず、女性や高齢者でも扱いやすいというメリットがあります。
いざという時に慌てないためにも、このような防災グッズを備えておくことも、立派な浸水対策の一つと言えるでしょう。
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浸水対策のリフォームを進める上での知識
◆この章のポイント◆
- リフォームの種類とそれぞれの特徴
- 気になるリフォームの費用相場
- 活用できる補助金制度をチェック
- もしもの時のための水災保険
- 自分でできる対策とプロに任せるべきこと
リフォームの種類とそれぞれの特徴
浸水対策のリフォームと一言で言っても、そのアプローチ方法は一つではありません。
建物の立地条件や構造、想定される浸水の規模、そして予算に応じて、様々な対策を組み合わせて考える必要があります。
浸水対策の考え方は、大きく「止水」「耐水」「容水」という3つのカテゴリーに分けることができます。
これらの特徴を理解し、ご自身の家に最適なリフォーム計画を立てるための参考にしてください。
「止水」:水の侵入を徹底的に防ぐ
「止水」は、その名の通り、建物内への水の侵入を物理的に防ぐことを目的とした対策です。
比較的浸水深が浅いと想定される地域や、内水氾濫が主なリスクである場合に特に有効な考え方です。
具体的なリフォーム内容は以下の通りです。
- 防水板・止水板の設置: 玄関や車庫の入り口など、大きな開口部に設置します。
- 防水性の高い外壁・建具: 外壁の防水塗装や、水密性の高いサッシへの交換、防水ドアの設置などが挙げられます。
- 敷地の嵩上げ: 敷地全体や建物が建つ部分の地盤を高くすることで、浸水リスクを根本的に低減します。
- 防水塀の設置: 敷地の周囲をコンクリートなどの防水性の高い塀で囲い、敷地内への水の流入を防ぎます。
止水対策は、成功すれば被害をゼロに抑えることができる一方で、想定を超える水位の洪水が発生した場合には、対策が破られて一気に水が流れ込むリスクも考慮する必要があります。
「耐水」:浸水しても被害を最小限に抑える
「耐水」は、ある程度の浸水は避けられないことを前提として、建物が水に浸かっても構造的なダメージを最小限に抑え、復旧を容易にすることを目的とした対策です。
浸水深が比較的深いと想定される地域や、河川の近くで外水氾濫のリスクがある場合に有効です。
- 構造体の強化: 基礎を鉄筋コンクリートで強化したり、木造部分に防腐・防蟻処理を施したりして、水の力や長期間の浸水に耐えられるようにします。
- 耐水性の高い建材の使用: 床材や壁材に、水に濡れても変形や腐食がしにくい材料(コンクリート、タイル、樹脂系建材など)を使用します。
- 設備の高所設置: コンセントや給湯器、エアコンの室外機など、水に弱い電気設備を、想定される浸水深よりも高い位置に設置します。
耐水対策は、浸水後のリフォーム費用を大幅に削減できるというメリットがあります。
「容水」:水を逃がす仕組みを作る
「容水」は、積極的に水を受け入れ、スムーズに排出することで被害を軽減するという、やや先進的な考え方です。
主に高床式の住宅などで採用されることがあります。
- 高床式(ピロティ構造): 1階部分を駐車場や吹き抜けの空間(ピロティ)にし、居住空間を2階以上に設ける構造です。洪水時には1階部分を水が通り抜けることで、建物全体へのダメージを回避します。
- 排水設備の強化: 浸水した水を速やかに外部へ排出できるよう、床に排水口を設けたり、強力な排水ポンプを設置したりします。
これらの対策は、単独で行うのではなく、「止水」と「耐水」を組み合わせるなど、複合的に実施することで、より効果が高まります。
例えば、1階部分は耐水化リフォームを施し、玄関には防水板を設置する、といった形です。
専門家とよく相談し、ハザードマップや地域の特性を踏まえた上で、最適なリフォームプランを策定しましょう。
気になるリフォームの費用相場
浸水対策のリフォームを検討する上で、最も気になるのが費用面ではないでしょうか。
対策の種類や工事の規模、使用する建材のグレードによって価格は大きく変動しますが、ここでは主要なリフォームごとのおおよその費用相場をご紹介します。
あくまで一般的な目安として、予算計画の参考にしてください。
正確な金額については、必ず複数のリフォーム会社から見積もりを取り、比較検討することをお勧めします。
対策別の費用一覧表
以下に、代表的な浸水対策リフォームの費用相場をまとめました。
リフォーム内容 | 費用相場 | 備考 |
---|---|---|
防水板(止水板)の設置 | 5万円 ~ 100万円以上 | 脱着式の簡易なものであれば安価。固定式や電動式は高額になる。 |
防水シャッターの設置 | 20万円 ~ 60万円(1箇所あたり) | 手動か電動か、シャッターのサイズによって変動。 |
窓サッシの交換 | 10万円 ~ 40万円(1箇所あたり) | 水密性の高いサッシへの交換。窓の大きさや種類による。 |
外壁の防水塗装 | 80万円 ~ 150万円(一般的な戸建て) | 使用する塗料の耐久性(ウレタン、シリコン、フッ素など)で変わる。 |
外壁の張り替え・カバー工法 | 150万円 ~ 300万円以上 | 既存の外壁の状態や、新しい外壁材の種類によって大きく変動。 |
電気設備の高所移設 | 3万円 ~ 10万円(1箇所あたり) | コンセントやスイッチの移設。給湯器などは別途費用が必要。 |
逆流防止弁の設置 | 5万円 ~ 15万円(1箇所あたり) | 排水管やトイレに設置。設置場所の状況により工事費が変わる。 |
敷地の嵩上げ | 100万円 ~ 500万円以上 | 工事の規模や範囲、土の種類によって大きく異なる。大規模な工事となる。 |
防水塀の設置 | 2万円 ~ 5万円(1メートルあたり) | コンクリートブロック塀やRC塀など。高さや基礎工事の有無による。 |
費用を左右する要因
上記の費用はあくまで目安であり、いくつかの要因によって変動します。
まず、建物の状況です。
築年数が古い、あるいは構造が複雑な住宅の場合、補強工事など追加の作業が必要となり、費用が上乗せされることがあります。
また、リフォームを行う範囲も価格を大きく左右します。
家全体の対策を一度に行うのか、それともリスクの高い箇所から部分的に手をつけていくのか、計画次第で総額は変わってきます。
そして、依頼する業者によっても見積もり金額は異なります。
広告宣伝費を多くかけている大手リフォーム会社と、地域密着型の工務店とでは、価格設定に差が出ることが一般的です。
価格だけでなく、過去の実績や担当者の対応、提案内容などを総合的に判断し、信頼できるパートナーを選ぶことが、満足のいくリフォームを実現するための重要なポイントです。
活用できる補助金制度をチェック
浸水対策のリフォームは、家の安全性を高めるための重要な投資ですが、決して安い買い物ではありません。
その経済的な負担を少しでも軽減するために、国や地方自治体が設けている補助金・助成金制度を積極的に活用しましょう。
近年、頻発する水害への対策として、こうした支援制度を導入する自治体が増えています。
制度の有無や内容は自治体によって異なるため、まずはご自身がお住まいの地域の情報を調べることが第一歩となります。
補助金制度の探し方
お住まいの地域で利用できる補助金制度を探すには、いくつかの方法があります。
- 自治体のウェブサイトを確認する: 最も確実な方法です。「〇〇市(区町村名) 浸水対策 補助金」や「〇〇市 住宅リフォーム 助成金」といったキーワードで検索してみましょう。防災課や建築指導課などのページに情報が掲載されていることが多いです。
- 役所の窓口で相談する: ウェブサイトで情報が見つからない場合や、制度の詳細について質問したい場合は、直接役所の担当窓口に問い合わせるのが早道です。どの課が担当しているか分からない場合は、総合案内で尋ねてみてください。
- リフォーム会社に相談する: 地域の補助金制度に詳しいリフォーム会社もあります。見積もりを依頼する際に、利用できる補助金がないか尋ねてみると、申請手続きのサポートまでしてくれる場合があります。
補助金の対象となる工事と注意点
補助金の対象となる工事は、自治体によって様々ですが、一般的には以下のようなものが挙げられます。
- 土のうや防水板の購入・設置
- 土地の嵩上げ
- 防水壁の設置
- 主要な部屋の床を高くする工事
- 電気設備等の高所への移設
補助される金額は、工事費用の2分の1や3分の2といった定率で、上限額が50万円から100万円程度に設定されているケースが多く見られます。
補助金制度を利用する上で、いくつか注意すべき点があります。
最も重要なのは、必ず「工事の契約前」に申請を行うことです。
多くの制度では、着工後の申請は認められていません。
また、申請期間が定められていたり、年度ごとに予算の上限が設けられていて、上限に達し次第受付を終了してしまったりすることもあります。
さらに、申請には見積書や工事計画書、施工前の写真など、様々な書類が必要となります。
手続きが煩雑に感じるかもしれませんが、数十万円単位の支援を受けられる可能性のある貴重な制度です。
リフォームを計画する際には、早い段階から情報収集を始め、計画的に準備を進めるようにしましょう。
もしもの時のための水災保険
どれだけ入念に浸水対策のリフォームを施したとしても、自然災害の猛威を100%完全に防ぎきれるという保証はどこにもありません。
想定をはるかに超える規模の豪雨や洪水によって、万が一被害を受けてしまった場合に、経済的な支えとなるのが「水災保険」です。
一般的に「火災保険」の補償オプションとして付帯されることが多く、水害による損害をカバーしてくれます。
リフォームによる物理的な防御と、保険による経済的な備えは、いわば車の両輪です。
両方を整えておくことで、安心して日々の生活を送ることができます。
火災保険と水災補償の関係
まず理解しておくべきなのは、「水災補償」は単独の保険商品として存在するのではなく、多くの場合、火災保険の特約または基本補償の一部として提供されるということです。
したがって、ご自身が加入している火災保険の契約内容を確認することが最初のステップとなります。
近年、多くの火災保険では水災補償がセットになっていますが、古い契約や保険料を抑えたプランの場合、対象外となっている可能性もゼロではありません。
保険証券を確認し、「水災」という項目にチェックが入っているか、あるいは補償内容の一覧に記載があるかを確かめましょう。
もし不明な点があれば、契約している保険会社や代理店に問い合わせて、補償の有無と内容を明確にしておくことが重要です。
保険金が支払われる条件
水災補償の対象となるのは、一般的に台風、暴風雨、豪雨などによる洪水、高潮、土砂崩れなどによって生じた損害です。
ただし、実際に保険金が支払われるためには、損害の程度が一定の基準を満たしている必要があります。
その基準は保険会社によって若干異なりますが、主に以下のいずれかに該当する場合に支払われるのが一般的です。
- 床上浸水または地盤面から45cmを超える浸水: 居住部分の床を超える浸水があった場合、または基礎の上端である地盤面から45cm以上の浸水があった場合に支払われます。
- 建物の再調達価額の30%以上の損害: 浸水による損害額が、同等の建物を新たに建築・購入するために必要な金額(再調達価額)の30%以上になった場合に支払われます。
つまり、床下浸水のみで被害が軽微な場合には、保険金が支払われない可能性があるという点に注意が必要です。
また、補償の対象となるのは「建物」と「家財」であり、それぞれ別に契約する必要があります。
建物のみの契約では、浸水で使えなくなった家具や家電製品は補償されません。
ご自身の契約が建物と家財の両方をカバーしているかどうかも、併せて確認しておきましょう。
ハザードマップで浸水リスクが低いとされている地域でも、近年の異常気象を考えれば油断は禁物です。
大切な財産を守る最後の砦として、水災保険への加入と内容の確認をぜひ行っておいてください。
自分でできる対策とプロに任せるべきこと
浸水対策を考えるとき、すべてを専門業者に任せなければならないわけではありません。
日頃から自分自身でできることや、緊急時に行うべき応急処置もたくさんあります。
一方で、建物の構造に関わるような専門的な工事は、無理に自分で行うと逆効果になったり、安全上の問題を引き起こしたりする可能性があります。
ここでは、DIYで対応可能な対策と、プロであるリフォーム会社に依頼すべき工事の線引きを明確にすることで、効果的かつ安全に浸水対策を進めるためのポイントを解説します。
自分でできること(DIY・応急処置)
コストを抑えつつ、すぐにでも始められる対策は、防災意識の第一歩として非常に重要です。
- 情報の収集と確認: 自治体が公表しているハザードマップを確認し、自宅周辺の浸水リスク(想定される深さや範囲)を把握します。また、避難場所や避難経路を家族で共有しておくことも重要です。
- 側溝や排水溝の清掃: ゴミや落ち葉が詰まっていると、雨水をスムーズに排水できず、内水氾濫の原因となります。定期的に清掃を心がけましょう。
- 土のう・水のうの準備と設置: 前述の通り、土のうや水のうは水の侵入を遅らせるのに有効です。事前に準備しておき、いざという時に迅速に設置できるようにしておきましょう。
- 家財の避難: 浸水の危険が迫ったら、貴重品や水に弱い家電製品、思い出の品などを2階や高い場所へ移動させます。
- 簡易防水板の設置: ホームセンターなどで購入できる、発泡スチロール製などの簡易的な防水板を玄関に設置するのも一つの手です。
プロに任せるべきこと(専門工事)
建物の安全性や機能性、そして長期的な効果を確保するためには、専門家の知識と技術が不可欠です。
以下の項目については、信頼できるリフォーム会社や工務店に相談しましょう。
- 建物の基礎や構造に関わる工事: 敷地の嵩上げや高床式への変更、鉄筋コンクリートでの基礎の強化などは、専門的な構造計算が必要であり、プロの領域です。
- 外壁・屋根の工事: 防水塗装や外壁の張り替えは、足場の設置が必要な高所作業であり、専門的な技術が求められます。不適切な施工は雨漏りの原因にもなります。
- 電気・ガス・水道設備の移設: これらの設備工事は、有資格者でなければ行うことが法律で禁じられています。感電や火災、ガス漏れなどの重大な事故につながる危険があります。
- 防水板(固定式)や防水シャッターの設置: 正確な採寸と、建物の構造に合わせた適切な取り付けが止水性能を左右します。専門業者でなければ確実な施工は困難です。
- 窓やドアの交換: サッシやドアの交換も、建付けの調整や防水処理など、専門的なノウハウが必要です。
自分でできることとプロに任せるべきことの役割分担を正しく理解することが、賢く浸水対策を進めるコツです。
日頃の備えは自分たちで行い、建物の恒久的な対策については、複数の専門業者から話を聞き、納得のいく計画を立てて実行に移しましょう。
まとめ:最適な浸水対策のリフォームを選ぼう
この記事では、大切な家を水害から守るための、浸水対策のリフォームについて多角的に解説してきました。
浸水の原因から、玄関や窓などの具体的な対策、リフォームの種類と費用相場、さらには補助金や保険といった経済的な側面に至るまで、ご理解いただけたかと思います。
近年の気候変動により、もはや日本のどこに住んでいても水害のリスクはゼロとは言えません。
だからこそ、被害に遭ってから後悔するのではなく、事前の備えとして計画的に対策を講じることが何よりも重要になります。
浸水対策のリフォームは、決して画一的なものではありません。
ご自身の住む地域のハザードマップを確認し、想定される浸水の種類や深さを把握することから始めましょう。
そして、建物の状況やご自身の予算に合わせて、「止水」「耐水」といった考え方を組み合わせ、最適なリフォームプランを練り上げることが成功の鍵です。
簡易的な防水板の設置から、外壁全体の改修まで、その選択肢は多岐にわたります。
自分でできる土のうの設置などの応急処置と、専門家でなければ難しい構造的なリフォームを正しく見極め、賢く役割分担することも大切です。
費用面で不安がある場合も、自治体の補助金制度を活用したり、信頼できるリフォーム会社に相談して複数のプランを比較検討したりすることで、道は開けるはずです。
そして、万が一の事態に備える水災保険の確認も忘れてはなりません。
物理的な対策と経済的な備えの両輪があってこそ、真の安心が手に入ります。
この機会に、ご家族の安全と大切な財産を守るため、最適な浸水対策のリフォームの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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本日のまとめ
- 浸水の原因は主に河川が溢れる外水氾濫と下水が溢れる内水氾濫がある
- ハザードマップで自宅の浸水リスクを確認することが対策の第一歩
- 玄関からの浸水には防水板の設置が非常に有効
- 窓の対策には防水シャッターの設置や水密性の高いサッシへの交換が効果的
- 外壁のひび割れは放置すると浸水の原因になるため防水塗装などのメンテナンスが必要
- 土のうは袋に土を詰めすぎず互い違いに積むのが効果的な使い方
- リフォームの考え方には水の侵入を防ぐ「止水」と被害を軽減する「耐水」がある
- リフォーム費用は対策内容によって数万円から数百万円まで幅広く変動する
- 国や自治体の補助金制度を利用すれば経済的負担を軽減できる可能性がある
- 補助金の申請は工事の契約前に手続きする必要がある
- 万一の被害に備え火災保険の水災補償の有無と内容を確認することが重要
- 水災保険で補償されるには床上浸水など一定の支払い基準を満たす必要がある
- 側溝の清掃や家財の避難は自分でできる重要な対策
- 建物の構造や電気設備に関わる工事は必ずプロの業者に依頼する
- 最適な浸水対策のリフォームは地域のリスクと予算を考慮して総合的に計画する

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参考サイト
水害の種類や水害対策でリフォームすべき箇所を解説 – Mitsuboshi
水害対策リフォームで浸水被害を防ぐ!玄関止水板や外壁補強で備えよう
台風被害や雨漏れを防ぐリノベーションのポイント – さくら事務所
【2024年度版】台風・水害で慌てない!自宅でできる浸水対策のまとめ – リフォマ
浸水した時の対処法とリフォーム費用の相場|お得にする方法とは
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